第1章:定量分析
1-1. 業績数値の比較
項目 | 前期実績(2024年通期) | 今期実績(2025年上期) | 会社予想(通期) |
---|---|---|---|
売上高(百万円) | 26,944 | 29,645 | ― |
営業利益(百万円) | 9,153 | 10,605 | ― |
経常利益(百万円) | 9,153 | 10,605 | ― |
純利益(百万円) | 7,175 | 8,461 | ― |
EPS(1株利益・円) | 20.21 | 25.07 | ― |
配当金(年間・円) | $3.00(四半期) | $4.00(四半期) | 年間$16.00換算 |
※為替換算をしていないため、配当金は米ドルベースで表記しています。
1-2. 財務諸表の変化点(定量的な視点)
損益計算書(PL)
売上高(上期):前年同期比 +10%
EPS(上期):前年同期比 +24%
純利益:前年同期比 +18%
税率上昇(20.2%、前年16.1%):税制上の優遇措置減少による
貸借対照表(BS)
現金および預金:153→167(△8%)
トレーディング資産:628→596(+5%)
負債総額:1,661B→1,642Bと微増
自己資本比率(CET1):Standardizedで14.5%、Advancedで15.3%
株主資本は124Bドルと安定
キャッシュフロー(CF)
現金水準は前年より増加
グローバルコア流動資産:462Bドル(前四半期比 +21B)
第2章:定性分析
経営成績に関する説明
良化点
グローバル・バンキング&マーケッツ部門が+24%と大幅増収
FICC(債券・通貨・コモディティ)とエクイティ両方で2桁成長
投資銀行手数料も+26%で堅調(特にアドバイザリー)
悪化点
プラットフォームソリューションズ部門(旧消費者金融)が伸び悩み
Asset & Wealth Management部門は前年同期比 -3%
財政状態に関する説明
良化点
自己資本比率CET1が14.5〜15.3%と高水準を維持
株主資本、流動資産、平均VaR(Value at Risk)ともに安定
配当増配($3→$4)と自社株買い(39.6億ドル)で株主還元強化
悪化点
クレジット損失引当金が384M(前年282M)と増加
頭数減(46,600→45,900)=人件費削減の兆候
将来の見通しに関する説明
良化点
投資銀行手数料バックログ増 → 今後の収益化期待
金利上昇を背景に、貸出・運用収益は拡大基調
悪化点
アセットマネジメント部門におけるエクイティ投資評価損あり
景気後退リスクや信用不安が、FICC市場に逆風の可能性あり
第3章:投資判断の示唆
総合評価(ファンダメンタル観点)
評価軸 | 内容 |
---|---|
業績トレンド | 営業・純利益ともに2桁成長。特にマーケット部門が好調。 |
財務健全性 | CET1比率が14%超、潤沢な流動性(GCLA:462Bドル) |
株主還元 | 配当+自社株買いで積極姿勢。年間配当利回り約2.8%($4×4÷$564換算) |
マクロ経済との関係 | 景気敏感な業態だが、金利上昇局面では利益体質が強化 |
✅ 投資判断:買い(期待が持てる)
理由:
部門別収益の分散が効いており、FICC・Equitiesともに堅調
ROE 14.8%、EPS成長率 +24%、配当利回りも改善
景気循環の山谷に左右される部分はあるが、堅実な資本政策と高収益モデルにより、長期的な株主リターンが見込める
📌 補足:
EPS:前年同期比 +24%(20.21→25.07)
配当:前年比 +33%($3.00→$4.00/四半期)