【企業概要】
さくらインターネット株式会社(証券コード:3778)は、クラウドやサーバーサービス、データセンター事業を展開するインターネットインフラ企業です。特にGPUクラウドやハウジングサービスに強みを持ち、個人から法人、研究機関に至るまで幅広い顧客層を抱えています。収益構造は月額・従量課金モデルを中心としたサブスクリプション型が主体で、約48万件以上の契約数を背景に安定収益を確保。国内でのサービス展開が中心ですが、生成AIやクラウドマイグレーションの需要増を背景にさらなる成長が期待されます。
定量分析
業績数値の比較
項目 | 前期実績 2025年Q1 |
今期実績 2026年Q1 |
通期予想 2026年3月期 |
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売上高(百万円) | 5,935 | 7,492 | 36,500 |
営業利益(百万円) | 231 | ▲457 | 350 |
経常利益(百万円) | 95 | ▲438 | 400 |
純利益(百万円) | 42 | ▲324 | 200 |
EPS(円) | 1.15 | ▲8.11 | 5.00 |
配当金(年間・円) | 4.00 | – | 5.00 |
<small>※単位:百万円・円、▲は赤字を表します</small>
財務諸表の変化点(定量的視点)
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資産
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現金および預金:▲5.2億円(29.5億円 → 24.3億円)
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売掛金等:▲4.7億円(7.6億円 → 2.8億円)
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有形固定資産:+44億円(334.7億円 → 378.8億円)※GPU関連投資拡大
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負債
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リース債務:+32億円(66.5億円 → 98.6億円)※設備投資に伴う負債増
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その他流動負債:増加(183億円 → 208億円)
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純資産
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利益剰余金:▲4.8億円(91.8億円 → 86.9億円)
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自己資本比率:36.9% → 36.6%へ微減
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減価償却費
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15.3億円(前年同期比+65%)
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定性分析
観点 | 前期比で良くなった点 | 前期比で悪くなった点 |
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経営成績 | GPUサービスが前年比+174.0%と急成長 クラウドサービスも+9.8%と安定推移 |
サーバー保守費・電力費・減価償却が大幅増 営業赤字へ転落 |
財政状態 | 有形固定資産(主にGPU設備)を積極拡充 | 現預金・売掛金の減少、利益剰余金の減少 |
将来見通し | 国産クラウドへの期待増、生成AI需要の取り込み強化 | 通期業績予想を下方修正(営業利益:前年▲92%、純利益:前年▲93%) |
投資判断の示唆
📊 1. 業績トレンドの安定性・成長性
GPUインフラ売上は急拡大している一方で、コスト負担の増大により赤字転落。中長期の成長可能性は高いが、短期の利益成長性には不安あり。
💰 2. 財務健全性
自己資本比率は36.6%と安定圏内だが、現金水準の低下とリース債務の増大は注意。
💸 3. 株主還元
年間配当は1円増配予定(4円 → 5円)だが、EPS予想5円に対しての配当は高め。配当性向が一時的に高くなる可能性。
🌍 4. 業界・マクロ動向
生成AI、クラウドマイグレーションの波に乗れる立場。国内パブリッククラウドの需要は追い風。ただし原材料・電力コスト上昇には引き続き注意。
✅ 現時点での参考投資判断:⚖️ 保留(注視すべき要因あり)
成長性ある分野への先行投資は評価できる一方で、減価償却や電力コスト増などで短期赤字が続く可能性も。生成AIの商用化・受注安定が見えてくるまでは慎重姿勢が妥当。