サラリーマン最適解|米株1本×NISA自動化でコツコツFIREへ

サラリーマンが今日から始める毎日積立|NISA自動化でリアルFIRE

「帰宅したら何も決められない」を前提にする

定時を過ぎても、明日の会議資料を作る。早めに帰宅したら子どもの寝かしつけ。サラリーマンは投資の勉強や銘柄選びにをじっくりと考える時間は多くはありません。――だから、サラリーマンの資産形成は“判断を減らす設計”から始めるのが合理的です。
毎月の自動積立は、まさにそのための仕組み。決めるのは最初の一度だけ。あとは忙しい日も、疲れた夜も、口座が勝手に資産を作ってくれます。

「給料は変えづらい、積立は今日変えられる」

年収を上げるには時間がかかります。異動や昇進は自分だけで動かせません。でも、積立額は今日このあと5分で決められます
はじめの一歩は可処分1万円でOKです。ゼロのまま1年が過ぎるのと、毎月1万円が積み上がるのとでは、同じ12か月でも手触りが違う。積立は目に見える。「続けられた」という事実が、次の一歩を必ず押し出します。

NISAで“先取り”にしてしまう

積立は「余ったら投資」ではダメです。余りませんから。給与日“翌営業日”に自動で買い付けるようセットしてしまいましょう。
たとえば25日払いの会社なら、翌営業日の朝に約定するよう予約する。これだけで“先取り”に変わります。先取りは、筋トレで言えば「朝にウェアを出しておく」のと同じ。行動の摩擦がほぼゼロになります。

「段」を決めて、半年ごとに少しだけ上げる

積立額は段(ステップ)で考えると決めやすいです。月1万、5万、10万、15万、20万。まずは最も無理なく続けられる段から。
そしてカレンダーに年1回の点検日を入れ、そこで積立額を上げます。いきなり倍にせず、じわりと強く。この“微増ルール”は、筋トレで重量を一枚ずつ増やすのと同じで、メンタルに優しく、でも確実に効いてきます。目に見える効果が出ると、徐々に上げることが癖になってきます。

つまずきやすい場面を先に無効化する

  • 相場が下がってきた。止めるべき?
    止めません。自動設定は“触らない”が正解。あなたが見ているのは数十年の道のりです。

  • 銘柄を増やせば安心?
    最初は“行動の分散”=毎月同額で積むことのほうが効きます。商品は1本でいい。

  • 家計がカツカツ
    格安SIMや保険の見直し、サブスク整理で月1万円を作るのが近道。固定費の1万円カットは積立1万円アップと同じ効果です。

仕事帰りのあなたへ、今日やることは3つだけ

  1. 積立の段を決める(まずは月1万円でも十分)。

  2. NISAで自動積立を予約(銘柄は全世界 or 米株インデックス1本、日付は給与日“翌営業日”)。

  3. 「年1点検」をカレンダー登録(積立額を少し上げるだけ)。

ここまできたら、あなたの資産形成は“気分”ではなく“仕組み”で動き出します。この積立をFIREにどうつなげるか――現実路線で描いていきます。夢は大きく、やることは小さく。静かに積み上げていきましょう。

現実的なFIREロードマップ|サイドFIRE優先&固定費最適化で到達を早める

「完全リタイア」より“細い収入を残す”のが近道

フルFIRE(仕事ゼロ)をいきなり狙うと、必要資産が一気に跳ね上がります。サラリーマンに現実的なのは、サイドFIRE(生活費の一部を資産、一部を労働で賄う)
出社頻度を下げる、転職する、フルタイムを短縮する、副業を週数時間だけ続ける――“細い収入の糸”を残すほど、ゴールは手前に寄ってきます。

固定費の最適化=ゴールが近づく“最短手段”

積立額を増やすのは「攻め」ですが、固定費を下げるのは“守りの一点突破”で効果が早い。たとえば格安SIM・保険の見直し・サブスク整理・住居の適正化。

  • 固定費1万円↓=積立1万円↑と同じ効果。

  • 下げた固定費は、積立の“段上げ”にする。

    “メンタルが折れない”ための3ルール

    • ルール1:積立スイッチは触らない。 市況で止めない。

    • ルール2:生活費の水準を上げたいときは“半年遅らせ”、資産の伸びを待つ。

    • ルール3:副業は“続けられる型”に(毎週固定の2時間など)して、収入の細い糸を切らない。

    積立額別の資産目安を一発把握|月1万・5万・10万・15万・20万 × 年3%/5%/7%

    「自分の“段”で、何年後にどの景色が見えるのか」を一目で確認できるよう、月1万・5万・10万・15万・20万の5パターンを分割して掲載します。
    前提はシンプル:毎月の自動積立/月次複利/年率3%・5%・7%の3シナリオ/10・15・20・25・30年。税・手数料・物価はここではいったん考えません(=目安)。

    • 左から「年数」と「元本合計(= 月額×12×年数)」、右に「3%/5%/7%想定」の評価額。

    • まずはあなたの段(積立額)だけを見て、15年と25年の2点をチェックすると全体感が掴めます。

    • 数字は“目安”。続ける仕組み>数値の細かさでいきましょう。

    月額 ¥10,000
    年数元本合計3%想定5%想定7%想定
    10¥1,200,000¥1,397,414¥1,552,823¥1,730,848
    15¥1,800,000¥2,269,727¥2,672,889¥3,169,623
    20¥2,400,000¥3,283,020¥4,110,337¥5,209,267
    25¥3,000,000¥4,460,078¥5,955,097¥8,100,717
    30¥3,600,000¥5,827,369¥8,322,586¥12,199,710

     

    月額 ¥50,000
    年数元本合計3%想定5%想定7%想定
    10¥6,000,000¥6,987,071¥7,764,114¥8,654,240
    15¥9,000,000¥11,348,634¥13,364,447¥15,848,115
    20¥12,000,000¥16,415,100¥20,552,017¥26,046,334
    25¥15,000,000¥22,300,391¥29,775,485¥40,503,585
    30¥18,000,000¥29,137,011¥41,612,932¥60,998,550

     

    月額 ¥100,000
    年数元本合計3%想定5%想定7%想定
    10¥12,000,000¥13,974,142¥15,528,228¥17,308,481
    15¥18,000,000¥22,697,269¥26,728,894¥31,696,230
    20¥24,000,000¥32,830,200¥41,103,367¥52,092,666
    25¥30,000,000¥44,600,782¥59,550,971¥81,007,169
    30¥36,000,000¥58,273,689¥83,225,864¥121,997,100

     

    月額 ¥150,000
    年数元本合計3%想定5%想定7%想定
    10¥18,000,000¥20,961,213¥23,292,341¥25,962,721
    15¥27,000,000¥34,045,903¥40,093,341¥47,544,345
    20¥36,000,000¥49,245,300¥61,655,050¥78,138,999
    25¥45,000,000¥66,901,173¥89,326,456¥121,510,754
    30¥54,000,000¥87,410,534¥124,838,796¥182,995,650

     

    月額 ¥200,000
    年数元本合計3%想定5%想定7%想定
    10¥24,000,000¥27,948,284¥31,056,455¥34,616,962
    15¥36,000,000¥45,394,538¥53,457,788¥63,392,460
    20¥48,000,000¥65,660,400¥82,206,733¥104,185,332
    25¥60,000,000¥89,201,564¥119,101,942¥162,014,338
    30¥72,000,000¥116,547,377¥166,451,727¥243,994,200

    結論:続ける仕組みが最短距離

    投資の勝ち筋はテクニックではなく継続です。サラリーマンは日々の意思決定が多いからこそ、投資は「考えなくても回る」仕組みに落とし込みます。ここでは“折れないための土台”だけを、最小の手間で整えます。