投資の始め方|家計の見直しで月3万円をつくる5ステップ

目次

導入|「あと3万円あれば…」が未来を変えるかもしれません

たとえば、あと月3万円、自由に使えるお金があったら——
そのお金は、何に使いますか?

外食をちょっとグレードアップしたり、旅行資金に回したり、あるいは将来のためにそっと貯めておくのもいいですね。
でももし、その3万円を“未来のお金”に育てることができたら?
――つまり、「投資」に回して、将来の安心につなげることができたら?

月3万円の投資は、決して夢物語ではありません。
実は、今の家計を少し整えるだけで生み出せる現実的な額なんです。

この記事では、日々の支出を整えて“投資に回す余力”をつくるための工夫と、
その3万円をどう運用すれば、資産形成にしっかりつながるのかを、具体的にご紹介していきます。

ほんの少しの見直しと、未来への意識の切り替えが、人生の選択肢を大きく広げてくれるかもしれません。

月3万円の投資で将来はどう変わる?

「月3万円の投資」——
この金額を聞いて、少ないと感じたでしょうか?それとも多いと感じたでしょうか?

実はこの月3万円、毎月コツコツと積み立てていくことで、20年後には驚くような成果を生み出してくれます。

たとえば、年利5%で運用できた場合、
20年間の積立で約1,200万円に達する計算になります。
※複利を考慮したシミュレーション

「たった月3万円で?」と思うかもしれません。
でもこれが、“お金の力”と“時間の力”を味方につけた複利の魔法なんです。

✔ 老後資金にも、教育資金にも、FIREの土台にも

この1,200万円という金額は、老後の生活費を補ったり、子どもの教育資金に充てたりするには十分な規模。
もちろん、近年注目されている「FIRE(経済的自立と早期リタイア)」を目指すうえでも、確かな一歩になります。

FIREというと、数千万円〜1億円といった大きな目標をイメージするかもしれませんが、
そのスタートは意外とシンプルで、「月3万円」の積立からでもじゅうぶん始められるのです。

✔ 小さな習慣が未来をつくる

投資は一発逆転を狙うものではなく、習慣化がすべて
日々の生活のなかで“投資が当たり前”の状態になると、資産は自然と積み上がっていきます。

大切なのは、「今の生活の延長線上に、未来のお金を育てる流れを作ること」。
月3万円の積立は、まさにその“未来への仕送り”とも言えるでしょう。


次章では、この月3万円をどう捻出するのか。
そのための第一歩となる、家計の“見える化”についてご紹介していきます。

まずは家計を“見える化”するところから

「お金が足りない」と感じるとき、まず必要なのは“増やす”ことよりも“見直す”こと。
実際、家計を整理してみると、「あ、ここ意外とムダが多いかも…」と気づくことが少なくありません。

月3万円を投資に回すには、いまの収支をしっかり把握することが第一歩
どこにお金が流れているのかを知れば、何を変えるべきかが見えてきます。

収支の現状把握が第一歩

まずは、毎月の収入と支出をざっくり把握することから始めましょう。
完璧な家計簿でなくて大丈夫。アプリやExcelで「何に、いくら使っているか」を分類するだけでOKです。

おすすめは、支出を以下の3つに分けてみる方法:

分類内容の例チェックポイント
固定費家賃、通信費、保険料など毎月変わらない支出。見直しが効く項目も多い
変動費食費、日用品、光熱費など無意識に増えがち。週ごとの見直しが効果的
浪費使っていないサブスク、衝動買い、課金など意外と見落としがち。ここが“投資の原資”に変わる

特に「浪費」は、自覚していないだけで意外と多くなりがちなゾーンです。
数百円、数千円の積み重ねが、気づけば月1〜2万円になっていることも。


投資に回せる金額の目安は?「手取りの10〜20%」

では、毎月いくらくらい投資に回せればいいのでしょうか?

ひとつの目安は、手取り収入の10〜20%です。

  • 手取り20万円 → 月2万円が理想ライン

  • 手取り30万円 → 月3〜6万円が無理のない範囲

この中から「まずは月3万円」を目指していきます。

もちろん、最初から満額を投資に回す必要はありません。
最初は月1万円からスタートして、家計の流れが整ってきたら増額するという方法もOKです。

大切なのは、自分に合ったペースで無理なく続けられる金額を見つけること
投資は継続がすべてなので、苦しくてやめてしまうより、ゆるくでも続けられる仕組みの方が価値があります。


家計を見える化すれば、「何となく使っていたお金」が「未来の資産」に変わります。
次の章では、実際にどこを見直せば“月3万円”を捻出できるのか、具体的な節約ポイントを見ていきましょう。

具体的にどこを削る?節約ポイント5選

家計を“見える化”して、支出の流れが把握できたら、いよいよ次のステップ。
それが、「投資に回す原資を生み出す=ムダの見直し」です。

ここでは、生活を大きく犠牲にせずに節約しやすい5つの項目を紹介します。
合計で月3万円の余裕をつくるのは、決して難しくありません。むしろ“気づけばできていた”という感覚に近いかもしれません。


1. 通信費|格安SIMに変えるだけで、月3,000円カットも

スマホ代は、毎月自動で出ていく“固定費の代表格”。
大手キャリアを使っている場合、格安SIMに変えるだけで月3,000円以上の節約が可能です。

しかも最近の格安プランは、通信速度も日常使いに支障のないレベル。
スマホ料金は「変えない理由がない」と言っても過言ではありません。


2. サブスク|本当に全部、使っていますか?

音楽・動画・雑誌・クラウドストレージなど、サブスクリプションは便利な反面、「惰性で払っている」ことも多いもの。

チェックポイントは以下の通り:

  • 月1回も使っていないサービスはないか?

  • 無料プランや別サービスで代用できないか?

  • 家族でまとめて契約してシェアできないか?

たとえば、Netflix(1,490円)+Apple Music(1,080円)を解約するだけでも月2,500円以上の節約に。


3. 食費|外食・コンビニを週1回減らすだけでも効果大

「食費を削る」と聞くと、つらそうに感じるかもしれません。
でも無理な節制ではなく、外食やコンビニを少し減らすだけで効果は十分。

たとえば:

  • 平日のお昼をお弁当に変える → 月▲4,000〜6,000円

  • コンビニ利用を週1回減らす → 月▲1,000円前後

さらに「作り置き」「ふるさと納税の活用」なども取り入れると、月5,000円以上の節約も十分可能です。


4. 保険|内容を見直せば、毎月の負担がグッと軽くなる

加入時にしっかり考えたつもりでも、時間が経つと「保障が重複していた」「ライフスタイルに合っていない」ということも。

特に見直しやすいのは以下の2つ:

  • 医療保険:貯蓄があれば最低限でもOK

  • 死亡保険:子どもが独立した後は減額も検討を

過剰な保険をスリム化するだけで、月2,000〜5,000円の削減も可能です。


5. 娯楽・交際費|“上限”を設けるだけで使いすぎ防止

お付き合いや趣味に使うお金は、心のゆとりにつながる大切な支出。
だからこそ、「ゼロにする」のではなく、あらかじめ上限を決めておくことが重要です。

たとえば:

  • 月1万円以内に抑える

  • 週に1回だけ、外食や飲み会OKにする

  • キャッシュレスではなく現金管理にしてみる

こうしたルールだけでも、使いすぎを防ぎつつ、月5,000円以上の節約につながります。


✅ 合計すると…月3万円の余地は意外とすぐ見つかる

項目節約額(目安)
通信費月▲3,000円
サブスク月▲1,000〜2,000円
食費月▲5,000円以上
保険月▲2,000〜5,000円
娯楽・交際費月▲5,000円
合計月▲16,000〜20,000円以上

これに「見直し前の自然な余剰資金(残し貯め)」を合わせれば、月3万円を投資に回す下地は十分に整います。


次の章では、こうして生み出したお金を「投資に回す習慣」にするための仕組みづくりについて紹介します。
コツは、「手元に残さない」こと。つまり、“先取り投資”の自動化です。

“投資に回す仕組み”を作ろう

節約して生まれた月3万円。
ここからが本番です。大切なのは、「余ったら投資しよう」ではなく、「先に投資して残りで生活する」という仕組みをつくること。

人は、お金が手元にあるとどうしても使ってしまうもの。
だからこそ、“自動化”によって投資を習慣にする仕組みづくりが重要です。


自動積立設定が最強の味方

まず取り入れたいのが、「自動積立投資」の仕組みです。
証券口座から、毎月決まった日に3万円が自動で引き落とされる設定をしておけば、意識せずに資産が積み上がっていきます。

これはまさに、未来の自分への“定期仕送り”

こんな設定ができます👇

  • 楽天証券やSBI証券などの「クレカ積立」や「口座引き落とし」

  • 新NISA(つみたて投資枠)に組み込む(月最大10万円まで可能)

  • ボーナス月に増額設定をして、年間バランスを調整

「気づいたら今月もちゃんと積立できていた」
この安心感が、習慣を支えてくれます。


支出があるときは「一時停止OK」の柔軟さを持つ

自動積立は強力な仕組みですが、「毎月絶対に続けなきゃ…」とプレッシャーになりすぎるのも本末転倒。

  • 急な出費があった月は、一時的に金額を下げる

  • 資金が厳しいときは、いったん積立をストップしてもOK

  • 無理なく再開するタイミングを、自分で決めればいい

投資は「やめないこと」よりも、「戻ってこられること」のほうが大事。
だから、柔軟にコントロールできる仕組みこそが、長く続けるための鍵になります。


🔁 習慣化できれば“お金の使い方”が変わる

自動積立が習慣になってくると、日々の支出に対する意識も自然と変わってきます。

  • 「この1,000円、未来のお金に回した方がいいかな」

  • 「今月は積立が終わってるから、安心して使おう」

  • 「臨時収入が入ったから、少し追加で積立してみよう」

こうして、お金との付き合い方そのものが“投資家目線”にシフトしていくんです。


次の章では、こうして投資に回した月3万円を、どんな商品に投資すればいいのか?
初心者にもやさしい、堅実なインデックス投資商品をご紹介します。

3万円で何を買う?初心者向けおすすめ投資先

「月3万円を投資に回す準備が整ったけど、実際にはどの商品を買えばいいの?」
そんな疑問を感じている方のために、ここでは初心者でも安心して取り組めるインデックス型投資信託を中心に、3つの代表的な選択肢をご紹介します。

どれも、長期・積立・分散の三拍子がそろった鉄板商品ばかり。
楽天証券やSBI証券など主要ネット証券で、100円から購入可能なものなので、月3万円でも余裕でスタートできます。


1. eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

  • 投資対象:先進国・新興国を含む全世界の株式

  • 信託報酬:年率0.1133%(2025年時点)

  • 特徴:この1本で「世界中に分散投資」ができる超王道ファンド。

  • おすすめ理由:どの地域が成長しても恩恵を受けやすく、初心者にも安心。日本も含まれるため心理的ハードルが低いのも◎


2. SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

  • 投資対象:アメリカの代表的な500社(S&P500)

  • 信託報酬:年率0.0938%(2025年時点)

  • 特徴:アップル、マイクロソフト、アマゾンなど、米国の超大手企業に分散投資

  • おすすめ理由:成長力のある米国経済に“丸ごと乗る”形。インデックス投資の王道として長年人気


3. 楽天・高配当株式インデックス・ファンド(楽天VYM連動)

  • 投資対象:米国の高配当株に分散投資

  • 信託報酬:年率0.192%(2025年時点)

  • 特徴:バンガード社のVYMに連動。安定したインカム(配当)を狙える

  • おすすめ理由:成長性よりも「配当重視」で、精神的にもホールドしやすい。再投資による複利効果も◎


🔍 3つのファンド比較早見表

商品名投資対象信託報酬投資地域向いている人
eMAXIS Slim 全世界株式全世界(日本含む)0.1133%世界中リスク分散を重視したい人
SBI・V・S&P500米国大型株500社0.0938%米国米国の成長に乗りたい人
楽天・高配当株式米国の高配当株0.192%米国配当金も意識したい人

✅ 初心者へのアドバイス:「まずは1本に絞る」でOK

最初のうちは、あれもこれも買うより、「これ1本!」と決めて積み立てる方が続けやすいです。
迷ったら「eMAXIS Slim 全世界株式」から始めるのがおすすめ。投資の王道かつ安心感があり、将来の切り替えもしやすいです。


投資先を決めたら、あとは自動積立で“放っておく”だけ。
長い時間を味方につけて、着実に資産を育てていきましょう。

次はいよいよまとめです。ここまでの内容を振り返りつつ、「未来に回す」という意識の大切さをお伝えします。

まとめ|「削る」のではなく「未来に回す」という発想

月3万円を投資に回す——
この一見ハードルの高そうなチャレンジも、
家計の“見える化”、ムダの見直し、自動積立という流れを踏めば、現実的で達成可能な目標になります。

しかもこの3万円、ただの節約ではなく、「未来の安心」や「お金の自由」を買う行動です。

  • 老後の不安を少しずつ減らしていく

  • 教育費や住宅資金の選択肢を広げる

  • 将来FIREを目指すベースをつくる

どれも、今日のちょっとした行動から始まります。


✔ ポイントをおさらい

  • 月3万円の積立で、20年後には約1,200万円の資産形成が可能

  • 家計の見直しでムリなく捻出できる

  • 自動積立で「先取り投資」を習慣化

  • 投資先はインデックスファンドから始めれば安心


「節約=我慢」ではなく、
「未来の自分への仕送り」という考え方に切り替えてみませんか?

最初の一歩を踏み出せば、あとは習慣があなたを資産形成の道へと導いてくれます。
今日からできることから、少しずつ始めていきましょう。