会社名と事業概要
会社名: アスクル株式会社 (ASKUL Corporation)
事業概要:
アスクル株式会社は、日本国内でオフィス用品、生活用品、医療用品などの通販を手掛ける企業です。BtoBおよびBtoC向けのeコマース事業を展開しており、主要ブランドとして「ASKUL」や「LOHACO」があります。また、物流事業や飲料水の製造販売も行っています。
経営状況の全体的な概要
アスクル株式会社の2024年5月期の業績は増収増益となり、売上高は4,716億82百万円(前期比5.6%増)、営業利益は169億53百万円(前期比16.0%増)、経常利益は166億77百万円(前期比15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は191億39百万円(前期比95.6%増)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症関連商材の特需減少やご注文数の計画未達等の影響を受けつつも、主力商品の価格改定やBtoB事業の広告費・販促費の投下によるものです。
財務状況、業績予想、リスク要因、戦略的な視点
財務状況
- 総資産: 2,430億62百万円(前連結会計年度末比155億56百万円増加)
- 純資産: 813億36百万円(前連結会計年度末比144億60百万円増加)
- 自己資本比率: 32.2%(前連結会計年度末は28.2%)
業績予想
2025年5月期の連結業績予想では、売上高は5,000億円(前期比6.0%増)、営業利益は180億円(前期比6.2%増)、経常利益は177億円(前期比6.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は112億円(前期比41.5%減)を見込んでいます。BtoB事業の成長が引き続き見込まれ、BtoC事業の売上回復も計画されています。
リスク要因
- 原材料・エネルギー価格の上昇: ロシアのウクライナ侵攻等による影響
- 為替リスク: 円安による輸入価格の上昇
- 物流問題: 「物流2024年問題」への対応
戦略的な視点
アスクル株式会社は、「サステナブル経営」、「お客様価値最大化」、「高収益モデルへの変革」を掲げ、中期経営計画を推進しています。具体的には、以下の戦略を展開しています。
- データドリブン施策: 商品採用・価格決定業務の迅速化、マーケティングラボの開始、サプライヤーとのデータ活用による品揃え強化
- 物流拠点戦略: ロングテール商品の在庫集約による配送効率向上、「ASKUL関東DC」の稼働予定
- 財務戦略の転換: 健全な財務体質の維持・向上、成長投資(M&A等)の推進、株主還元の充実
このように、アスクル株式会社はデジタルと物流の強化に注力し、持続可能な成長を目指しています。