決算銘柄:ダイセキ

会社名と事業概要

会社名: 株式会社ダイセキ
事業概要: 株式会社ダイセキは、産業廃棄物処理、土壌汚染処理、鉛リサイクル、大型タンク等の洗浄事業を展開する企業です。主な事業は工場廃液の処理、リサイクル燃料の出荷、土壌汚染処理、高付加価値案件の受注、資源リサイクル事業(石膏ボード、古紙・一般廃棄物処理)などがあります。

経営状況の概要

2025年2月期第1四半期において、ダイセキは売上高16,703百万円(前年同期比6.5%減)、営業利益3,906百万円(前年同期比0.7%減)、経常利益4,220百万円(前年同期比4.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,687百万円(前年同期比10.5%増)を記録しました。経常利益と親会社株主に帰属する四半期純利益は過去最高を達成しました。

詳細分析

財務状況

  • 総資産: 107,606百万円(前連結会計年度末比1,034百万円減)
  • 純資産: 87,719百万円(前連結会計年度末比1,715百万円減)
  • 自己資本比率: 73.2%(前連結会計年度末74.1%)
  • 流動資産: 41,426百万円(前連結会計年度末比3,296百万円減)
  • 流動負債: 13,333百万円(前連結会計年度末比963百万円減)
  • 固定負債: 6,553百万円(前連結会計年度末比1,644百万円増)

業績予想

  • 第2四半期(累計):
    • 売上高: 32,700百万円(前年同期比8.5%減)
    • 営業利益: 6,700百万円(前年同期比13.5%減)
    • 経常利益: 6,800百万円(前年同期比14.1%減)
    • 親会社株主に帰属する当期純利益: 4,200百万円(前年同期比12.1%減)
    • 1株当たり当期純利益: 87.15円
  • 通期:
    • 売上高: 65,600百万円(前年同期比5.2%減)
    • 営業利益: 14,000百万円(前年同期比5.5%減)
    • 経常利益: 14,100百万円(前年同期比8.7%減)
    • 親会社株主に帰属する当期純利益: 8,700百万円(前年同期比8.0%減)
    • 1株当たり当期純利益: 180.88円

リスク要因

  1. 経済環境の変動: 政治情勢やエネルギー価格、原材料価格の高騰、金融引締めによる影響。
  2. 新型コロナウイルスの影響: インバウンド需要の回復状況や社会経済活動の変動。
  3. 市場競争: 高付加価値案件の受注競争や新規取引獲得の難易度。

戦略的な視点

ダイセキは、「限られた資源を活かして使う『環境を通じ社会に貢献する環境創造企業』」というパーパスを重視し、地域社会から愛される企業を目指しています。具体的な戦略は以下の通りです:

  1. 事業拡大: 人材確保および教育を強化し、新規工場取引の獲得や高付加価値案件の受注を推進。
  2. コスト管理: 円安やエネルギー価格の高騰に対して適切な価格転嫁とコスト削減を実施。
  3. 技術革新: 環境関連事業の技術開発を推進し、効率的な廃棄物処理やリサイクル技術の向上を図る。

業績予想に焦点を当てた詳細分析

ダイセキの2025年2月期の通期業績予想では、売上高65,600百万円、営業利益14,000百万円、経常利益14,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益8,700百万円を見込んでいます。これにより、前年同期比で減収減益が見込まれています。これらの予想は、政治情勢やエネルギー価格の変動、金融引締めの影響を反映しており、リスク管理と戦略的な対応が今後の業績に大きく影響することが予想されます。

結論

ダイセキは、2025年2月期において減収減益の見通しを立てていますが、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は依然として高水準を維持しています。同社は環境関連事業の強化とリスク管理に注力し、持続的成長を目指しています。経済環境や市場競争に対する適切な対応が、今後の成長と収益性の維持にとって重要な要素となるでしょう。