会社名と事業概要
会社名: Salesforce, Inc.
事業概要:
Salesforce, Inc.は、顧客関係管理(CRM)ソフトウェアを提供する企業であり、AIとデータを統合したCRMプラットフォーム「Einstein 1」を中心にサービスを展開しています。主要製品には、Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloud、Commerce Cloud、Tableauなどがあります。
経営状況の全体的な概要
2025会計年度第1四半期において、Salesforceの売上高は91億3千万ドル(前年同期比11%増)となりました。GAAPベースの営業利益率は18.7%、Non-GAAPベースの営業利益率は32.1%であり、営業キャッシュフローは62億5千万ドル(前年同期比39%増)、フリーキャッシュフローは60億8千万ドル(同43%増)となりました。
経営状況の詳細分析
財務状況:
- 総資産: 961億8千万ドル
- 総負債: 364億9千万ドル
- 純資産: 596億8千万ドル
- 現金および現金同等物: 99億6千万ドル
業績予想:
- 第2四半期FY25予想:
- 売上高: 92億~92億5千万ドル(前年同期比7~8%増)
- GAAPベースの営業利益率: 非公表
- Non-GAAPベースの営業利益率: 非公表
- GAAPベースの1株当たり利益: 1.31~1.33ドル
- Non-GAAPベースの1株当たり利益: 2.34~2.36ドル
- 通期FY25予想:
- 売上高: 377億~380億ドル(前年同期比8~9%増)
- GAAPベースの営業利益率: 19.9%
- Non-GAAPベースの営業利益率: 32.5%
- GAAPベースの1株当たり利益: 6.04~6.12ドル
- Non-GAAPベースの1株当たり利益: 9.86~9.94ドル
- 営業キャッシュフロー成長率: 21~24%
リスク要因:
- AI技術の統合と関連する不確実性
- 規制の変化や法的リスク
- 競争環境の変動
- グローバルな経済・地政学的リスク(例えば、インフレ圧力、金利変動、為替リスク)
戦略的な視点: Salesforceは、AIとデータを活用して顧客との新たな接点を提供することを戦略の中心に据えています。特に、顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援するための新製品やサービスの投入に注力しています。また、キャッシュフローの強化と株主への還元を進め、資本リターンプログラムを通じて14億ドル以上を株主に返還しています。
業績予想に焦点を当てた分析: SalesforceのFY25の業績予想では、売上高と利益の増加が見込まれています。特に、サブスクリプションおよびサポート収益の成長が主導していますが、全体の成長率は10%弱に留まると予想されています。営業キャッシュフローの成長も21~24%と堅調であり、キャッシュフローの強化が引き続き重要なポイントとなっています。一方で、AI技術の統合や規制の変化といったリスク要因にも注意が必要です。Salesforceは、これらのリスクに対処しつつ、持続可能な成長を実現するための戦略的な施策を講じています。