配当で資産を育てる!高配当ETFが人気の秘密
米国株投資の中でも人気を集めているのが 高配当ETF です。株価の値上がり益(キャピタルゲイン)だけでなく、定期的な分配金(インカムゲイン)を得られるため、安定した収入源を求める投資家にとって強力な味方になります。
ただし「利回りが高ければそれで良い」というわけではありません。配当の持続性や、増配の実績、組み入れ銘柄の安定性などをしっかり見極めることが大切です。
この記事では、2025年最新版の米国高配当ETFランキングTOP5 を紹介します。利回りだけでなく、安定性・増配傾向・分散度といったポイントも踏まえて、投資初心者から中級者まで参考になるようにまとめました。
ぜひこの記事を参考に、「あなたに合った高配当ETF」を見つけてみてください。
高配当ETFとは?基礎知識
まずは「高配当ETFってそもそも何?」という点を整理しておきましょう。
高配当ETFの仕組み
ETF(上場投資信託)は、株式や債券などをまとめてパッケージにした投資商品です。その中でも「高配当ETF」は、配当利回りが高い銘柄を中心に組み入れることを目的としています。
投資家はETFを1口購入するだけで、多くの配当株に分散投資でき、年に数回の分配金を受け取ることができます。
高配当ETFのメリット
分散投資ができる:1つのETFを持つだけで数十〜数百銘柄に分散可能。
安定した配当収入:企業からの配当が原資なので、定期的なインカムゲインが期待できる。
手軽さ:個別株の選定不要。証券口座から簡単に売買可能。
高配当ETFのデメリット
配当課税がある:米国ETFの場合、日米二重課税(源泉徴収+国内課税)が発生。
成長株に比べリターンは劣る場合も:配当重視のため、ハイテク成長株のような株価上昇は限定的。
分配金の変動リスク:景気や業績によって減配の可能性もある。
「利回りだけで選ばない」という注意点
「配当利回りが高い=お得」というイメージを持ちやすいですが、実は注意が必要です。
利回りが高すぎる銘柄は、株価下落によって一時的に見かけ上の利回りが上がっているだけ、というケースもあります。
長期で安定的に資産を育てたいなら、利回り・分散度・増配実績の3点を総合的に見ることが大切です。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
分散効果 | 複数銘柄に自動的に分散投資でき、個別株リスクを軽減 | 指数の設計次第でセクター偏りが出る場合あり |
収益源 | 定期的な分配金(インカムゲイン)を得られる | 景気や業績によって減配の可能性がある |
手軽さ | 証券口座から1本買うだけで高配当株に投資可能 | 配当課税(米国源泉税+国内課税)が発生 |
成長性 | 安定収入を得ながら長期資産形成が可能 | ハイテク成長株に比べ、株価上昇益は限定的 |
コスト | 個別株の売買手数料より低コストで運用できる | 信託報酬(経費率)がかかり、リターンを圧縮 |
高配当ETFランキング2025【米国株編】
ここからは、2025年時点で注目すべき米国高配当ETFをランキング形式で紹介します。
単純に「利回りが高いもの」だけでなく、分散性や安定性、増配の実績といった観点も加味して選定しました。
第1位:VYM(バンガード・米国高配当株ETF)
VYMは米国株高配当ETFの王道的存在です。約400銘柄以上に分散しており、組入上位にはジョンソン&ジョンソンやJPモルガンなど安定感のある大企業が名を連ねます。
利回り(2025年目安):約3.2〜3.5%
経費率:0.06% と超低コスト
安定的に増配しており、長期投資に最適
第2位:HDV(iシェアーズ・米国高配当株ETF)
HDVは、エネルギー・ヘルスケアといったディフェンシブセクターの比率が高く、不況時にも強いのが特徴です。
利回り(2025年目安):約3.8〜4.2%
組入上位はエクソンモービルやジョンソン&ジョンソンなど
高配当+安定感を両立したい人におすすめ
第3位:SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株ETF)
SPYDは高配当ETFの中でも特に利回りが高いことで有名です。
利回り(2025年目安):約4.5〜5.0%
S&P500銘柄の中から高配当上位80社を均等に組み入れ
短期のインカム狙いに適する一方、景気敏感株比率が高くリスクもある
第4位:SCHD(シュワブ米国配当株ETF)
近年急速に人気が高まっているのがSCHDです。配当だけでなく、成長性も重視する設計になっています。
利回り(2025年目安):約3.5〜3.8%
増配実績が豊富で、長期トータルリターンに優れる
「成長+配当」の両取りを狙いたい人におすすめ
第5位:DHS(ウィズダムツリー米国高配当株ETF)
DHSは独自の指数を用いて銘柄を選定する点が特徴です。
利回り(2025年目安):約4.0%前後
高配当株を絞り込むため、分散度はやや低め
個性的なポートフォリオを組みたい投資家に向く
ETF名 | ティッカー | 利回り(目安) | 経費率 | 組入銘柄数 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
バンガード米国高配当株ETF | VYM | 3.2〜3.5% | 0.06% | 約400 | 安定感・増配実績に強み |
iシェアーズ米国高配当株ETF | HDV | 3.8〜4.2% | 0.08% | 約75 | ディフェンシブ比率が高い |
SPDRポートフォリオS&P500高配当株ETF | SPYD | 4.5〜5.0% | 0.07% | 約80 | 高利回りだが景気敏感株に偏る |
シュワブ米国配当株ETF | SCHD | 3.5〜3.8% | 0.06% | 約100 | 成長+配当のバランス |
ウィズダムツリー米国高配当株ETF | DHS | 約4.0% | 0.38% | 約300 | 独自指数で構成、分散度は低め |
高配当ETFの選び方
ランキングを見て「どれが一番いいの?」と迷う方も多いはず。
ここでは、ETFを選ぶときに意識したいポイントと、投資スタイル別のおすすめを整理してみましょう。
選び方のポイント
利回りだけで判断しない
配当利回りが高くても、それが一時的な株価下落による「見かけの高さ」である場合もあります。利回りの安定性を確認しましょう。増配実績をチェック
過去数年間、安定的に分配金を増やしてきたETFは、長期投資に向いています。増配は企業の財務健全性の裏付けにもなります。分散度(銘柄数・セクター構成)を見る
銘柄数が少ないETFは集中リスクが大きく、景気や業種の影響を受けやすい傾向があります。逆に分散度が高いと安定性が増します。経費率を比較
ETFは長期で保有するケースが多いため、わずかな経費率の差がリターンに大きく影響します。
チェック項目 | ポイント | 確認の仕方 |
---|---|---|
1. 利回り | 高すぎる利回りは一時的な株価下落の可能性も | 直近の株価推移と配当履歴をチェック |
2. 増配実績 | 長期的に分配金を増やしているかが安定の鍵 | 過去5〜10年の分配金推移を確認 |
3. 分散度 | 銘柄数やセクター構成の広さでリスクを低減 | 組入銘柄数と上位比率を確認 |
4. 経費率 | 長期保有ではわずかな差がリターンに影響 | 公式ファンドページの「経費率」を確認 |
投資スタイル別おすすめ
安定重視タイプ
「安心して長期的に配当を受け取りたい」なら、
→ VYM、HDV
広範な分散やディフェンシブセクター比率が強み。高利回り重視タイプ
「とにかく高い配当を重視したい」なら、
→ SPYD
ただし景気敏感株に偏るため、景気後退時の値下がりリスクに注意。成長+配当のバランスタイプ
「配当も欲しいけど、株価の成長も狙いたい」なら、
→ SCHD
増配実績が豊富で、長期リターンにも期待できる。
2025年以降の高配当ETF展望
ランキングをチェックして「今から投資を始めても遅くないの?」と気になる方も多いでしょう。ここでは、2025年以降の高配当ETFを取り巻く環境について整理します。
金利動向と配当株の関係
米国の政策金利は、株式市場に大きな影響を与えます。
金利が高止まりする局面では、債券の利回りも魅力的になるため、相対的に配当株の魅力がやや薄れる傾向があります。
金利が下がり始める局面では、株式市場に資金が戻りやすく、安定配当株や高配当ETFに資金流入が起こることが多いです。
景気後退リスクと強いETF/弱いETF
景気後退時にどのETFが強いかはセクター構成によって決まります。
強いETF:HDV、VYM
ディフェンシブ(生活必需品・ヘルスケア)の比率が高く、不況下でも底堅さを発揮。弱いETF:SPYD
金融・不動産・エネルギーといった景気敏感株が多く、景気後退局面では値下がりリスクが大きい。
為替(ドル円)の影響も考慮
日本から米国ETFに投資する場合、為替変動も無視できません。
円安進行時:ドル建て資産の評価額が増えるため有利。
円高進行時:為替差損が発生し、分配金の魅力が薄れることも。
長期投資では為替変動が平均化されることが多いですが、「為替ヘッジ付き投資信託を一部組み合わせる」などの工夫も有効です。
観点 | VYM | HDV | SPYD | SCHD | DHS |
---|---|---|---|---|---|
想定する強み | 広範な分散と安定増配 | ディフェンシブ構成で下落耐性 | 利回りの高さ | 増配×質スクリーニング | 独自指数で高配当を濃縮 |
景気後退時の耐性 | 強め(分散広い) | 強い(生活必需品/ヘルスケア比率) | 弱め(景気敏感株が重い) | 中立〜やや強め(質重視) | 中立(採用銘柄によりブレ) |
利上げ局面 | 中立 | 中立〜やや強 | 不利になりやすい | 中立 | 中立 |
利下げ局面 | 堅調になりやすい | 堅調 | 反発力あり(ボラ大) | 堅調(トータル良化) | 堅調(指数次第) |
セクター偏り | 小さめ(広く分散) | あり(ディフェンシブ寄り) | あり(金融/不動産/エネルギー) | 中程度(質重視の偏り) | 指数の方針に依存 |
分配金の安定性 | 高め | 高め | 変動大きめ | 高め | 中程度 |
下落時の最大ドローダウン | 中 | 小〜中 | 大(注意) | 中 | 中 |
ボラティリティ | 中 | 小〜中 | 中〜大 | 中 | 中 |
コスト感(経費率) | 低コスト | 低コスト | 低コスト | 低コスト | やや高め |
向いている投資家像 | 「まずは安定」を最優先 | 守りを固めたい長期派 | 配当額を重視する攻め派 | 配当+成長の両取り志向 | 王道とかぶらない味付け |
注意点 | 利回りは突出せず | セクター偏りを許容できるか | 景気敏感度と減配変動 | 指数要件変更の影響に留意 | 分散/コストの妥当性確認 |
まとめ
本記事では、2025年最新版の米国高配当ETFランキング を中心に、高配当ETFの仕組みから選び方、そして今後の展望までを整理しました。
結論として、高配当ETFは「一発で儲ける」商品ではなく、安定収入と長期的な資産形成を支える武器 です。
投資スタイルに合わせて選ぶことが大切で、迷う場合は少額から分散投資を始めてみるのがおすすめです。