ジュニアNISA終了から一転、再び子どもも対象に?
「ジュニアNISAが終わってしまって、子ども名義で投資できる非課税制度はもうないのか…」
そんな風に感じていた方も多いのではないでしょうか。
ところが最近、金融庁が“新NISAを18歳未満の子どもにも広げたい”という方針を示しました。もしこれが実現すれば、子どもも親と同じように非課税で投資をスタートできるようになるかもしれません。
教育資金を積み立てる手段としてはもちろん、早いうちから「お金を育てる体験」を共有できるのは、親にとっても大きな魅力ですよね。
この記事では、子どもNISA拡充の背景や制度のポイント、そして親が今から準備しておくべきことをわかりやすく整理していきます。
子どももNISA対象に?制度拡充の背景
これまでNISAは「成人を対象とした制度」でした。未成年が利用できる非課税投資制度といえばジュニアNISAでしたが、こちらは2023年で終了。その結果、子ども名義での資産形成はしにくくなり、教育資金を投資で育てたい家庭にとっては「空白期間」とも言える状態が続いていました。
ところが最近になって、金融庁が2026年度の税制改正要望に「18歳未満もNISAを利用できるようにしたい」という内容を盛り込みました。背景には大きく二つの狙いがあります。
長期投資の習慣を早い段階から根付かせること
小さい頃から「お金を育てる経験」を持つことで、将来的に投資リテラシーを自然と身につけられる。これは国としても金融教育を推進する流れと合致しています。教育資金や将来資金の支援につなげること
大学進学や独立に必要なまとまった資金を、早いうちから非課税で積み立てられるようにする。家計の安心感にもつながります。
つまり、この新しい方針は「ジュニアNISAが終わってしまった穴を埋める動き」とも言えるのです。
親世代にとっても、子どもと一緒に資産形成を考えられるチャンスが再び訪れようとしています。
想定される制度の内容
子どももNISAを使えるようにする――と聞くと、「具体的にどんな仕組みになるの?」と気になる方も多いと思います。現時点で金融庁が示している要望を整理すると、次のような内容が想定されています。
項目 | 旧ジュニアNISA(〜2023年終了) | 子どもNISA(検討中・要望段階) |
---|---|---|
対象年齢 | 0歳〜19歳 | 18歳未満を対象に拡大予定 |
年間投資枠 | 80万円 | つみたて投資枠が中心(詳細未定) |
非課税期間 | 最長5年間 | 恒久的な非課税(NISAと同様を想定) |
投資商品 | 上場株式・投資信託・ETFなど幅広い | 金融庁指定の長期積立向け投資信託・ETF(予定) |
引き出し制限 | 原則18歳まで引き出し不可(例外あり) | 柔軟化の可能性(詳細未定) |
制度の位置づけ | 教育資金や子ども名義での資産形成 | 教育資金・金融教育・長期資産形成の支援 |
制度の現状 | 2023年末で廃止、2024年以降は新規利用不可 | 2026年度税制改正要望に盛り込まれた段階 |
対象は「18歳未満」
新NISAを子どもも利用できるようにする場合、対象となるのは18歳未満の未成年です。つまり、親が子どもの名義で口座を開設し、その枠を使って投資を行うイメージになります。ジュニアNISA終了後の空白を埋める制度としての位置づけですね。
投資枠は「つみたて投資枠」が中心
利用できる投資商品については、長期・分散・積立を基本とした「つみたて投資枠」が中心になる見込みです。具体的には、金融庁が指定した投資信託やETFなど、手数料が低く、長期保有に向いた商品が想定されています。短期的な値動きを追うのではなく、教育資金や将来資金を少しずつ育てていく狙いがあります。
非課税枠の柔軟化も検討
また、制度全体の改善案として、売却後に非課税枠をすぐ回復できる仕組みなど、より柔軟に使える制度設計も検討されています。これが実現すれば「一度売却したら枠が消える」という従来の不便さが解消され、使いやすさが大きく向上する可能性があります。
まだ要望段階で確定ではない
ただし注意したいのは、これらはあくまで金融庁からの要望段階だということです。今後の税制改正や国会審議を経て、正式に制度化されるかどうか、また具体的なルール(投資上限額、対象商品の範囲など)がどうなるかはまだ決まっていません。
そのため現時点では、「こういう方向で動いている」という情報を押さえておき、制度が固まったときにすぐ動けるように準備しておくのが賢明です。
親が準備しておくべきこと
制度が実際に始まるかどうかはまだ確定していませんが、「子どももNISAを使えるかも」というニュースを聞いた今から準備しておくと安心です。スムーズにスタートできるよう、親として押さえておきたいポイントを整理してみましょう。
1. 子ども名義口座に必要な書類を確認する
未成年が投資口座を開設するには、通常の本人確認書類に加えて親子関係を証明する書類(住民票や戸籍謄本など)が必要になります。
子どものマイナンバーカードまたは通知カード
健康保険証などの本人確認書類
親の本人確認書類
住民票や戸籍謄本
制度が始まる前に、これらをそろえておくと安心です。
2. 金融機関ごとの対応を調べておく
証券会社や銀行によって、未成年口座の取り扱いや手続きのしやすさは異なります。
例えば「親が口座を持っていると子どもの口座も開設しやすい」ケースや、「オンラインで手続きできるかどうか」といった違いもあります。どの金融機関を利用するか、今のうちから比較しておくとよいでしょう。
3. 投資の目的を家族で話し合う
「教育資金を貯めたいのか」「将来の独立資金を育てたいのか」など、投資の目的をはっきりさせておくことが大切です。目的によって積み立て額や投資期間の考え方が変わってきます。子どもが少し大きくなったら一緒に話し合うのも良い金融教育になります。
4. 少額から「一緒に学ぶ姿勢」で始める
たとえ月数千円でも、子ども名義で投資を積み立てていくことで、「お金を育てる」感覚を体験できます。親子でチャートを見たり、「お小遣いの一部を投資に回す」という工夫をしたりすれば、投資が自然と生活の一部になります。
子どもNISAのメリットと注意点
制度が拡充されれば、親子にとって大きなチャンスとなる「子どもNISA」。でも、メリットだけでなく注意点も理解しておくことが大切です。ここでは両面から整理してみましょう。
メリット
長期投資の時間をフル活用できる
子どものうちから投資を始められるということは、投資期間が20年、30年と長くとれるということ。複利の効果が最大限に働くので、少額の積立でも大きな成果につながりやすくなります。非課税メリットを子どもも享受できる
通常であれば投資利益には約20%の税金がかかりますが、NISAなら非課税。教育資金や将来の資産づくりを効率よく進められるのは大きな魅力です。金融教育のきっかけになる
投資を「親だけのもの」にせず、子どもと一緒に取り組むことで、自然とお金や投資の仕組みを学べます。お小遣いと合わせて「使う・貯める・増やす」を考える習慣が身につきやすいでしょう。
注意点
制度はまだ確定していない
現時点ではあくまで「金融庁の要望段階」であり、国会での審議を経ないと正式にはスタートしません。前のめりになりすぎず、情報を追いかけながら冷静に準備しておくことが大切です。投資リスクは親が管理する必要がある
当然ながら投資には元本割れのリスクもあります。子ども本人が判断できない年齢での投資になるため、運用方針やリスク管理は親の責任で行う必要があります。教育資金を投資に回すバランスを見極める
「将来のために」と思っても、直近の教育費が不足しては本末転倒です。投資に回すお金と現金で確保しておくお金のバランスを意識することが欠かせません。
子どもNISAは、うまく使えば「時間」と「非課税」の2つの武器を最大限活かせる制度になる可能性があります。ただし、リスクと現実的な資金計画を忘れずに取り入れることが成功のカギと言えるでしょう。
制度化された場合の活用シナリオ
もし子どももNISAを利用できるようになったら、どんな使い方が考えられるのでしょうか。ここでは、実際に役立ちそうな活用シナリオをいくつか紹介します。
1. 教育資金を積み立てる
大学進学や留学など、教育費は大きな負担になりがちです。
子どものうちから毎月コツコツ積み立てておけば、非課税の恩恵を受けながら教育資金を効率的に準備できます。たとえ少額でも、長期で積み立てることで大きな成果につながる可能性があります。
2. 将来の独立資金を作る
社会人になってすぐに必要になるのが、一人暮らしの初期費用や引っ越し費用、さらには結婚・出産といったライフイベントの資金。
子どもの名義で投資をスタートしておけば、成人する頃にはまとまった資金が準備できており、スムーズな独立を後押しできます。
3. 親子で「お金を育てる体験」を共有する
子どもNISAの大きな魅力のひとつは、親子で「お金が増えていく過程」を一緒に学べることです。
「今月の積立はどうなったかな?」と一緒に確認するだけでも、子どもにとっては立派な金融教育になります。お小遣いを一部投資に回すような体験を取り入れるのもおすすめです。
このように、制度が実際に導入されれば、教育資金の備えだけでなく、金融教育や将来の自立支援まで幅広い活用が可能になります。
親子で「どう使うか」を話し合いながら活かしていけると理想的ですね。
まとめ
子どももNISAの対象になるという動きは、家庭にとって大きな転機になり得ます。ジュニアNISAが終了して「空白」になっていた部分を埋める可能性があり、教育資金づくりや金融教育の観点からも注目度は高まっています。
現時点ではまだ要望段階で、制度がどのような形で実現するかは不透明です。ただ、制度が始まったときにスムーズに動けるように、口座開設に必要な書類の準備や、投資目的を家族で話し合っておくことは今からでもできます。
「長期投資の時間」と「非課税メリット」を子ども世代が活かせるようになれば、将来の資産形成において大きな力になるでしょう。
ぜひ、今のうちから情報をキャッチし、制度が始まったらすぐに行動できるよう備えておきましょう。親子で一緒に「お金を育てる体験」を共有できる日も、そう遠くないかもしれません。