企業概要:Alphabet Inc.(アルファベット/NASDAQ:GOOG, GOOGL)
Alphabet Inc.(証券コード:GOOG、GOOGL)は、Googleを傘下に持つ米国発のテクノロジー企業で、検索エンジン、広告、クラウド、YouTube、Android、Google Mapsなど多岐にわたるサービスを展開しています。収益の中心は広告事業で、YouTubeやGoogle検索などの媒体を活用しながら、Google Cloudやサブスクリプション(YouTube Premium等)、デバイス販売も成長中です。主な市場は米国を中心にEMEA・APAC地域にも広がっており、特にAIインフラと生成AI領域の急拡大に注力しています。
定量分析
業績数値の比較(単位:百万円、EPSと配当金は円換算で概算)
以下の表は、2024年Q2実績・2025年Q2実績・2025年通期予想の比較です。
項目 | 2024年Q2 | 2025年Q2 | 2025年通期予想 |
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売上高(百万USD) | 84,742 | 96,428 | ※非開示 |
営業利益(百万USD) | 27,425 | 31,271 | ※非開示 |
経常利益(百万USD) ※Other income含む税前利益 |
27,551 | 33,933 | ※非開示 |
純利益(百万USD) | 23,619 | 28,196 | ※非開示 |
EPS(1株利益/USD) | 1.89 | 2.31 | ※非開示 |
配当金(年間/USD) | 初配あり(2.46) | 2.54(中間) | 年間5.08想定 |
財務諸表の変化点(2024年末→2025年6月末)
資産構成の変化
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現金および有価証券合計:95,657→95,148(横ばい)
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有形固定資産(主にデータセンターなど):171,036→203,231(約+32,000、積極投資継続)
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非公開株式(スタートアップ等):37,982→52,574(投資増強)
負債の変化
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長期借入金:10,883→23,607(債券発行で資金調達)
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その他長期負債:増加傾向(4,694→6,241)
純資産の変化
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利益剰余金:245,084→275,760(純利益積み増し)
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自己資本比率:約72.2%→72.3%(健全水準を維持)
キャッシュフローの変化
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営業CF:55,488→63,897(増加)
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投資CF:▲11,345→▲40,738(CAPEX増と市場投資)
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フリーCF:17,637→5,301(前年Q2→今期Q2)
定性分析
観点 | 前期比で良くなった点 | 前期比で悪くなった点 |
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経営成績 | – 売上高 +14%(Search + YouTube + Cloudが二桁成長) – 営業利益 +14%、EPS +22% – Cloud収益が32%増、利益も拡大 |
– 法的和解費用による販管費増加 – Google Network広告のみ微減 |
財政状態 | – 利益剰余金と資産拡大 – 自己資本比率は安定して高水準 – 非公開株式の時価上昇 |
– 長期借入金が増加(+12,000M USD) – 現金減少(21,036M USD) |
将来見通し | – Cloud年率50B超ペースで成長中 – AI活用の新製品群が好調(AI Overviewなど) – 2025年CAPEX85Bを予定、AI基盤強化 |
– 訴訟費用リスク・法的課題の継続 – 原材料費や人件費の増加圧力 – 広告収益依存からの脱却は道半ば |
投資判断の示唆
1. 業績トレンドの安定性・成長性
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売上・利益ともに2桁成長を維持
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広告だけでなくCloudやサブスクも堅調で分散が進む
2. 財務健全性
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自己資本比率は70%超で盤石
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長期債増はあるが投資先行型の健全な資金調達
3. 株主還元
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2024年に初配開始、今期も中間配当あり
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自社株買いも継続(Q2で約13.6B USD)
4. 業界動向やマクロ経済影響
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AI関連の追い風が事業を牽引
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為替・金利・広告市場の鈍化が一部リスク
✅ 現時点での参考投資判断:買い(成長や割安感に期待)
強力なAI基盤を武器に、クラウド・サブスク・広告の3本柱がそれぞれ伸びている点に注目。PERやFCFの水準を考慮しても、長期的な成長ストーリーと還元姿勢の両面から魅力ある銘柄といえます。