Apple(アップル)|2025年Q3決算分析

【企業概要】

Apple Inc.(ティッカー:AAPL)は、iPhone、iPad、Macなどのハードウェア製品と、App Store、iCloud、Apple Musicなどのサービス事業を展開する世界最大級のテクノロジー企業です。収益の大半をiPhoneが占めつつも、近年はサブスクリプション型のサービス部門が急成長。北米を中心に欧州、中国、日本など世界中で展開しており、現在は生成AIや空間コンピューティング領域への拡大にも注力しています。


【定量分析】

●業績数値比較(単位:百万ドル)

項目2024年Q32025年Q32025年通期ガイダンス
売上高81,79783,986非開示
営業利益23,05424,106非開示
純利益19,88120,828非開示
EPS(希薄化後)1.261.35非開示
配当金(四半期)0.240.25年間1.00想定

【財務諸表の変化点】

  • 資産構成

    • 現金・短期投資:$59.5B → $63.7B(+7%)

    • 在庫水準は横ばい、売掛金の増加が見られる

  • 負債構成

    • 長期借入金:前年同期比ほぼ横ばい(約$110B)

    • リース負債等も安定水準

  • 純資産

    • 自己株式の買戻しが継続されており、資本構成はややスリム化

  • キャッシュフロー

    • 営業キャッシュフローは前年同期比で増加

    • フリーキャッシュフローの増加により、自社株買い・配当が積極化


【定性分析】

観点前期比で良くなった点前期比で悪くなった点
経営成績売上高 +2.7%、純利益 +4.8%、EPS +7.1%、Mac・サービスが増収iPad -5%、中国でのiPhone販売が伸び悩み
財政状態現金増加、FCF増、財務レバレッジ安定自己株買いによる純資産減少
将来見通しAI搭載iOS強化、Vision Proのグローバル展開示唆マクロ不透明感、中国市場の競争激化

【投資判断の示唆】

1. 業績トレンドの安定性・成長性

ハードの主力は成熟化するも、サービス部門が好調で全体成長を牽引。粗利率も上昇基調。

2. 財務健全性

巨額のキャッシュと堅調な営業キャッシュフロー。自己資本比率は適正水準を維持。

3. 株主還元

配当はわずかに増配。今四半期だけで約$19Bの自社株買いを実施しており、還元姿勢は継続的。

4. 業界・マクロ影響

AIを含むソフト面への強化は追い風。一方で中国市場の競争や地政学的リスクには注意が必要。


✅ 現時点での参考投資判断:買い(成長や割安感に期待)

AI・サービス分野の成長、強固な財務体質、高い還元性の3拍子が揃っており、長期目線での「買い」判断が妥当と考えます。