Arm Holdings(アーム・ホールディングス)|2026年Q1決算分析

企業概要

Arm Holdings plc は、英国を本拠とする半導体設計会社で、スマートフォン・組込みシステム・IoT・AIチップなどに広く利用されている「Armアーキテクチャ」のライセンス提供を中心としたビジネスモデルを展開しています。収益はライセンス収入とロイヤリティ収入の2本柱で構成され、設計IPの再利用性とエコシステムの強固さを武器にグローバル展開を続けています。2023年に再上場を果たし、市場の成長期待を背景に注目を集めています。


定量分析

業績数値の比較

単位:百万ドル、EPSはドル、配当金なし(2026年Q1時点)

項目 前期実績(2025年Q1) 今期実績(2026年Q1) 会社予想(2026年Q2)
売上高($M) 746 928 875〜925
営業利益($M) -19 155 未開示
純利益($M) -225 224 未開示
EPS(希薄化後) -0.22 0.22 0.22〜0.28
配当金(年間)

財務諸表の変化点

  • 現金及び現金同等物:$2,021M → $2,442M(+20.8%)

  • 売掛金:$719M → $765M(+6.4%)

  • 営業CF:$114M → $328M(大幅増)

  • 減価償却費:前年同様に安定的な水準を維持

  • 自己資本比率:約75%(極めて健全)


定性分析

観点 良くなった点 悪くなった点
経営成績 ライセンス収入とロイヤルティ収入の両方が前年同期比で大幅増加。AI、クラウド、車載分野が貢献。 成長分野への投資が先行しており、一部コスト増加が継続。
財政状態 営業CFの大幅改善、現金残高増加により財務の安定性が強化。 特記事項なし(資産・負債構成はほぼ安定)
将来見通し AI・クラウド分野の成長需要に対応し、NVIDIAやAmazonとの提携拡大が期待材料。 半導体業界全体の在庫調整局面の影響は引き続き注視が必要。

投資判断の示唆

  • 業績トレンド:2026年Q1において、売上・利益ともに大幅な成長を示し、AI・クラウド分野からの需要増が今後も継続見通し。

  • 財務健全性:自己資本比率は75%超、潤沢なキャッシュポジションにより投資余力も十分。

  • 株主還元:配当は実施していないが、利益成長を重視した戦略が明確。

  • マクロ動向との関係:AI・IoT・車載システム等の成長分野における設計需要増は構造的な追い風。

✅ 投資判断:買い(期待が持てる)

理由:AI、クラウド、車載分野の需要増加に支えられた高成長トレンドが継続しており、業績反転が明確。財務基盤の強さや提携強化も評価材料。