FIREを現実にする「支出→貯金→収入→投資→目的」の順番とは

「もし明日、働かなくても生きていけるとしたら、何をしますか?」

好きな場所に住み、誰にも縛られずに生きる。
そんな暮らしを実現するFIRE(経済的自立と早期リタイア)は、夢ではなく現実として捉えられる時代になりました。

でも、FIREを目指す上で一番大事なのは「投資テクニック」ではありません。
本当に大切なのは、どんな順番で進めるかという「土台」の部分です。

この記事では、2025年現在の視点で、FIREを目指すなら最初にやるべき5つのステップを紹介します。
無理なく進めていくための“地図”として、ぜひ活用してください。

まずは家計の見直し|「収入-支出=投資余力」

FIREを目指す上で、最初にやるべきことは何でしょうか?
答えはとてもシンプル。「お金の流れを把握すること」です。

いくら稼いでいようと、いくら投資に回したいと思っても、そもそも生活費の全体像が見えていなければ、土台はグラグラのまま。
家計の見直しは、FIREへの第一歩であり、“土を耕す作業”のようなものです。

支出を減らすことは「即効性のある投資」

投資と聞くと「株を買う」ことを思い浮かべる人が多いかもしれません。
でも、実は支出を減らすことこそ、最もリスクの少ない投資とも言えます。

たとえば、月1万円の固定費を見直せば、それは「年間12万円のリターン」。
しかも元本保証、ノーリスク。これを活かさない手はありません。

固定費と変動費のチェックリスト例

まずは以下のような支出を一度、紙に書き出してみてください。

🔸 固定費(毎月ほぼ変わらない出費)

  • 家賃(住宅ローン)

  • 通信費(スマホ・Wi-Fi)

  • サブスク(月額課金サービス)

  • 保険料

  • 習いごとや塾など

🔸 変動費(月によって変動する出費)

  • 食費

  • 日用品

  • 外食

  • 交際費

  • 衝動買い

この中で、「本当に価値を感じている支出だけが残っているか?」を自分に問い直すことが、第一のFIRE習慣です。

貯金のルールを作る|生活防衛資金を確保せよ

家計の流れを把握したら、次にやるべきことは「安心の土台」を作ることです。
それが 生活防衛資金の確保。投資に回す前に、ここを飛ばしてしまうと、FIREどころか不安定な生活に逆戻りすることもあります。

生活防衛資金の目安は?3ヶ月?6ヶ月?

生活防衛資金とは、もし急に収入が途絶えても「当面の生活を守る」ためのお金です。

一般的には、最低でも生活費の3ヶ月分、理想は6ヶ月分以上が目安とされています。
月20万円で生活している人なら、60万円〜120万円ほど。

これはいわば、“心の安定剤”。
リストラや病気など、想定外のことが起きても、焦らずに次の一手を考える余裕が生まれます。

投資に回す前に「安心」を作っておく理由

FIREを目指している人ほど、「早く投資したい!」という気持ちが強いかもしれません。
でも、生活防衛資金がないまま投資を始めてしまうと、相場が下落したときに **「お金が必要だから仕方なく売る」**という最悪の行動に出てしまいます。

それは投資ではなく、不安に追い込まれての撤退です。
まずは、投資の土台となる「安心」を先につくる。それが中長期で成果を出すためのコツです。

FIRE実現のための「貯金と投資のバランス」

FIREに向かうお金の流れは、大きく分けて以下の3つに分けられます。

  1. 生活費(今を生きるためのお金)

  2. 生活防衛資金(万が一に備えるお金)

  3. 投資資金(将来を作るお金)

このバランスを意識するだけで、「今も安心、未来も安心」という状態が少しずつ築けるようになります。

本業+αで収入の選択肢を広げる|投資の原資は自分でつくるもの

FIREを目指すなら、「投資に回すお金が必要」という現実は避けられません。
ただ、日々の生活でギリギリの家計をやりくりしながら…という状態では、精神的にもキツくなってしまいますよね。

そこで大事になってくるのが、「収入を増やす」という視点。
これは何も「副業で月に何万円稼ごう」と身構える必要はなくて、“自分に合ったペースで収入の柱を育てていく”という考え方がしっくりくるかもしれません。

たとえば…

  • 今の仕事でちょっとしたスキルアップをして昇給を狙う

  • 空いた時間で得意なことを活かして小さくお金に変える

  • 発信やアウトプットを続けて、いずれ仕事につながる可能性を育てる

私自身も、FIREを意識する中で「時間=資産」だという感覚が強くなり、ブログという発信の場を通じて、少しずつ“自分サイズの収入源”を育て始めました。

大きな収入アップを狙うよりも、「まずは月に数千円でも、投資に回せる余力が生まれるようにする」。
その小さな変化が、5年後・10年後に想像以上のリターンを生んでくれると信じています。

🔍 収入アップのヒント

  • 通勤時間やスキマ時間を学びの時間にして、将来の収入源をつくる

  • 好きなこと・得意なことを「誰かの役に立つ形」に変えてみる

  • 小さく始めて、小さく続ける。積み上げの力は、思っている以上に強い

一歩ずつ、自分のペースで。
収入の選択肢を少しずつ広げていくことも、FIREへの大事なステップです。

投資の基本を学ぶ|インデックス投資から始めよう

「支出の最適化」「貯金の習慣化」「収入の強化」まで整ったら、
いよいよFIREに向けた“資産運用”のステージへ。
でも焦らなくて大丈夫。まずは“シンプルな投資”から始めるのが正解です。

FIRE達成者がやっている「投資の型」

FIREを達成した人たちの多くが共通して取り入れているのが「インデックス投資」。
特定の企業ではなく、市場全体(例:S&P500や全世界株式)に分散して投資する方法です。

  • リスク分散がしやすい

  • 手間が少なく、ほったらかしでOK

  • 長期的に見れば、安定して成長してきた実績あり

つまり、誰でも再現可能な投資法なんです。

インデックス投資 vs 高配当株投資

どちらも人気の投資スタイルですが、FIREの目的に応じて選び方が変わります。

スタイル向いている人特徴
インデックス投資資産形成を重視したい人長期の積立でコツコツ増やす。配当は少なめだが安定感あり
高配当株投資配当収入で生活したい人キャッシュフローを得やすいが、銘柄選びに知識と注意が必要

「成長型」か「収入型」か、あなたのFIREプランに合わせて選んでみましょう。

iDeCo・NISAの活用法も忘れずに

せっかく投資するなら、税制優遇制度をフル活用しましょう。

  • NISA(新NISA):非課税枠で、誰でも投資スタートしやすい

  • iDeCo:掛金が所得控除に。節税しながら老後資金づくりに最適

この2つを活かすだけで、「同じ金額でも将来の手取りが変わる」ことはよくあります。
まだ使っていない方は、まず証券口座の開設からスタートを。

自分なりの「FIRE像」を明確にする|目標のない努力は続かない

FIREに向けて貯金や投資を頑張っていても、ふと立ち止まって
「自分は何のためにFIREを目指してるんだっけ?」と迷う瞬間は必ずやってきます。

そんな時、道しるべになるのが「自分なりのFIRE像」です。

「なぜFIREしたいのか?」を言語化する

たとえば、

  • 毎朝の満員電車から解放されたい

  • 好きな場所で、好きな人と働きたい

  • 家族との時間をもっと大切にしたい

  • 仕事に縛られずに、旅しながら暮らしたい

理由はなんでもいいんです。
大事なのは、「自分の言葉で語れること」

FIREのプロセスは長く、時に孤独にもなります。
だからこそ、ぶれない軸として「目的」を言葉にしておくことが、継続の力になります。

FIREのタイプを知ろう|Lean FIRE / Fat FIREなど

FIREにはいくつかのスタイルがあります。自分の理想と照らし合わせてみましょう。

タイプ特徴向いている人
Lean FIRE生活費を徹底的に絞るミニマムスタイル倹約志向、早期リタイアを急ぎたい人
Fat FIREゆとりある生活を維持したままFIRE現在の生活水準を保ちたい人
Barista FIREパートや副業で一部働きつつFIRE生活完全リタイアは不安な人
Coast FIRE早期に投資を済ませ、資産成長を待つ今は自由に生き、老後FIREを見据える人

どれが正解ということはありません。
今の自分が心地よく続けられる道を選ぶことが大切です。

数字ではなく「生き方」から逆算する

つい、「いくらあればFIREできるか?」という“数字”ばかりを追いかけてしまいがち。
でも本当に考えるべきは、「どんな1日を送りたいか」「どんな人生を歩みたいか」。

  • 月10万円で田舎暮らし?

  • 年収500万円分を配当でまかなって、都心で文化的に暮らす?

  • 世界中を旅しながら、リモートでちょっとだけ働く?

FIREはゴールではなく、“手段”です。
その先にある“暮らし”や“価値観”を描けてこそ、本当の意味でのFIREに近づけるのではないでしょうか。

まとめ|FIREの第一歩は「順番を間違えない」ことから

FIREを目指すとき、多くの人が真っ先に「投資」へと意識を向けがちです。
でも実際のところ、いきなり投資に走るのは危険
その前に、やるべき準備があるのです。

FIREまでの道のりは、次の5ステップに整理できます。

  1. 支出の見直し|「ムダを削る」ことで投資余力を作る

  2. 貯金の確保|「安心の土台」を築く

  3. 収入の強化|「攻める力」を育てる

  4. 投資の実行|「お金に働いてもらう」仕組みづくり

  5. 目的の言語化|「自分にとってのFIREとは?」を明確にする

順番を間違えなければ、どのステップも難しいことではありません。
むしろ、一歩ずつ積み重ねていくことで着実に自分らしいFIREに近づいていく感覚が得られるはずです。

最後にお伝えしたいのは、FIREを目指すこと自体が、
「お金に支配されない生き方」を選ぶという大きな決断だということ。

だからこそ、小さな行動の積み重ねが、未来の大きな自由につながる
今日からでも、できることから始めていきましょう。