Microsoft(マイクロソフト)|2025年Q4決算分析

企業概要

Microsoft Corporation(NASDAQ: MSFT)は、ソフトウェア、クラウド、AI、PC・デバイス、ゲームを手掛けるグローバルテクノロジー企業です。主要な収益源はクラウド基盤(Azure)、およびサブスクリプション型のMicrosoft 365やDynamics 365といったエンタープライズ向けサービス。世界70以上の地域で展開し、AzureはAI対応インフラとして成長著しい。近年はCopilotなどAI製品の注力と共に、研究開発投資を継続。クラウド・AI領域での収益性の高さが注目されます。


定量分析

業績数値の比較(単位:百万ドル/ドル)

項目前期実績
(FY2024 Q4)
今期実績
(FY2025 Q4)
通期予想
(FY2026)
売上高$64,727 M$76,441 M約$84,000 M+
営業利益$27,925 M$34,323 M非開示
純利益$22,036 M$27,233 M非開示
EPS(希薄化後)$2.95$3.65非開示
配当金(年間)ありあり継続予定

※売上・利益はGAAPベース。EPS・配当金は株主還元状況を示唆。


財務諸表の変化点(定量)

  • 現金・資産

    • 手元資金と投資約2400億ドル。キャッシュは前年から増加傾向

  • 負債・資本

    • 資本支出(データセンター等)はQ1見通しで300億ドル規模、自己資本比率維持

  • キャッシュフロー・減価償却

    • 営業CF、投資CFともに堅実(Div+自社株含め940億ドル還元)


定性分析(良化点 vs 悪化点)

観点良化点悪化点
経営成績 • 売上+18%、純利益+24%と高成長
• Azure成長率39%、Microsoft 365やDynamicsも堅調
 • AIインフラ拡充によるコスト負担増
• 人件費・設備費が増大
財政状態 • 高い営業利益率(44.9%)維持
• 強力な営業CFで自己資本堅調維持
 • 設備投資拡大によりCAPEX負担増リスク
将来見通し • AzureのAI利用拡大、Copilot採用拡大で中長期の収益基盤拡張
• CapEx増でもROI追求姿勢あり
 • AI容量制約やサプライチェーン、規制環境など外部リスクが潜在

投資判断の示唆

評価観点別コメント

  1. 業績トレンドの安定性・成長性
     Azure中心に高成長継続。AI化インフラ需要が追い風で売上・利益ともに堅調。

  2. 財務健全性
     潤沢なキャッシュ、健全な利益率、安定した財務基盤で投資余力あり。

  3. 株主還元
     Q4のみで94億ドル超還元。配当と自社株買いによる還元姿勢は明確。

  4. 業界/マクロ要因
     AI拡張とクラウド需要は長期追い風。一方で、金利・規制・AI競争などの外部環境は注意。


🔍 現時点の参考投資判断:✅ 買い(成長や割安感に期待)

理由:AzureとクラウドAIが牽引する高収益モデルと強固な財務基盤により、成長性・安定性・還元姿勢が揃う。今後もAI需要により収益拡大見込みが高く、中長期視点で魅力ある銘柄。