ServiceNow(サービスナウ|NYSE: NOW)|2025年Q2決算分析

冒頭:企業概要

ServiceNow Inc.(NYSE: NOW、サービスナウ)は、エンタープライズ向けのワークフローとAIプラットフォームを提供するIT企業です。主にサブスクリプション型の収益モデルで、グローバルに約8,400社の顧客を持ち、フォーチュン500企業の85%以上が導入しています。特にAIを活用した「エージェントAI」や業務自動化に強みがあり、IT、HR、顧客対応、セキュリティなど多様な業務領域をカバー。近年はAI投資と大規模案件の獲得を進めており、堅調な成長トレンドが継続しています。AI関連のセールス拡大やガイダンス引き上げも注目ポイントです。

定量分析

業績数値の比較(単位:百万円=USDミリオン、EPS=USD/株、配当なし)

項目 前期実績(2024年Q2) 今期実績(2025年Q2) 2025年通期予想(会社発表)
売上高
(総収益)
≒ 2,630 ↑ 3,215(約+22.5%)
サブスクリプション収益 ≒ 2,540 3,113(+22.5%) 12,775–12,795(前年比+20%)
営業利益(非GAAP) 955(営業利益率 約29.5%) 運転利益率目標30.5%程度
経常利益
純利益(非GAAP) ≈ 385(EPS $1.84–1.86) ≈ 854(EPS $4.09–4.13)
EPS(非GAAP) $1.85 $4.09
配当金(年間・USD)

※米国企業で配当なし、数値はUSDミリオンで表示
※「前期」は2024年第2四半期、数字は概算です Investopedia+11Yahoo! Finance+11Investing.com+11ServiceNow+4ServiceNow+4ServiceNow+4

財務諸表の変化点

資産・現金・CFの状況

利益・収益構成と債務

推定上のBS項目の変化(明示されていないため推測)

  • 有形/無形資産はAI投資およびMoveworks買収により増加

  • 負債構成は詳細不明だが借入依存は低く、デット・エクイティ比率約0.15程度と健全 マーケットビート

定性分析(前期比の良化点/悪化点)

観点 前期比で良くなった点 前期比で悪くなった点
経営成績 – 売上高・サブスクリプション収益とも22.5%増
– 非GAAP EPS30%増($1.85→$4.09)
– 大型契約(Net new ACV)が好調(89件1M超)
– Q3は大口更新の影響でcRPO成長に約2ptの減速予測
– 政府系予算見直しによる調達リスク可能性
財政状態 – 営業CFとフリーCFが増加しマージン改善
– 非GAAP利益率向上で財務余力強化
– Moveworks買収やAI投資による短期的キャッシュ消費
将来見通し – 通期サブスクガイダンスを$12.775–12.795Bへ引き上げ(前年比+20%)
– エージェントAIプラットフォーム強化(AI Control Tower等)
– Q3一時的減速リスク(cRPO成熟型顧客リニューアルパターン)
– AI市場競争激化・マクロ環境不透明

投資判断の示唆

1. 業績トレンドの安定性・成長性

売上高・サブスク収益とも20%超で安定成長中。大口案件が順調に拡大し、AI需要を背景に持続力あるトレンド。

2. 財務健全性

営業CF・フリーCFとも増加し、利益率改善。借入比率は低く、EPS・マージン上昇で財務基盤は健全。

3. 株主還元

現時点では配当なし・自社株買いなし。ただし利益成長と利益剰余金増加が将来的な株主還元余地を支える。

4. 業界動向・マクロ影響

AI導入の追い風強く、製品差別化に成功。だが政府コスト削減や企業予算縮小などマクロリスクは継続。

✅ 現時点での参考投資判断:買い(成長や割安感に期待)

AI主導型サブスク成長、強い利益率改善、継続的な大型契約獲得など、成長ストーリーが明確。短期的な業績変動リスクはあるものの、中長期では高い魅力があります。