Starbucks(スターバックス)|2025年Q2決算分析

【企業概要】

Starbucks Corporation(スターバックス:NASDAQ:SBUX)は、米国を本拠とする世界最大級のコーヒーチェーン企業です。コーヒーを中心に、フード・ティー・グッズなどを提供し、直営店およびライセンス店舗の両方で収益を得ています。全世界で38,000店舗以上を展開し、主要市場は米国・中国です。デジタル施策やロイヤルティプログラム「Starbucks Rewards」を通じて顧客基盤を強化しており、成長戦略としては新規出店とテクノロジー活用が注目されています。


【定量分析】

●業績比較(単位:百万ドル)

項目2024年Q22025年Q22025年通期見通し
売上高8,719.98,563.436,000〜37,000
営業利益1,178.81,079.4非開示
純利益908.3772.4非開示
EPS(希薄化後)0.790.682.90〜2.95
配当金(年間)0.53(四半期)0.57(四半期)増配傾向

●財務諸表の変化点(前年同期比)

  • 資産

    • 在庫:約18億ドル → 約16億ドルへ最適化

    • 現金同等物:約25億ドル → 約22億ドルに微減

  • 負債

    • リース債務:約133億ドル(ほぼ横ばい)

    • 長期債務:約148億ドル(横ばい)

  • 純資産

    • 自己資本比率や利益剰余金に大きな変動なしだが、自社株買いで資本圧縮傾向

  • キャッシュフロー

    • 営業CF:前年同期比▲39%($2.3B → $1.4B)

    • フリーCF:大幅悪化、自社株買い+増配が影響


【定性分析】

観点良くなった点悪くなった点
経営成績米国のロイヤルティ会員数+6%、新規出店+227店舗(Q2単体)中国既存店売上▲8%、全体売上・既存店売上ともに前年割れ
財政状態自社株買い+増配による株主還元姿勢強化営業キャッシュフローの悪化、キャッシュ減少
将来見通しEPS見通し2.90〜2.95ドルを維持、AI活用等の業務効率化推進中国経済の不透明感、インフレと消費動向の低迷

【投資判断の示唆】

  • 1. 業績トレンド

前年割れであるものの、米国市場での成長余地はあり。中国の回復には不安が残る。

  • 2. 財務健全性

営業キャッシュフローの悪化は要警戒だが、自己資本やレバレッジは許容範囲。

  • 3. 株主還元

増配+自社株買いを継続しており、還元意識は強い。

  • 4. マクロ・業界影響

中国市場の鈍化、インフレ圧力は継続。生成AIの活用など今後のコスト削減施策に期待。


⚖️ 現時点での参考投資判断:保留(注視すべき要因あり)

米中の需要動向に不安があり、短期的な下押しリスクが存在。中長期では再成長に期待。