2020年以降コロナ後の経済回復のための低金利政策により、米国経済は急激な経済成長を遂げました。2022年になると、行き過ぎた経済成長によりインフレが発生し、鎮静化のための利上げを行いました。現在は、政策金利を中立に戻しつつ、経済の状況を伺っているところです。
不安・懸念・安堵・楽観などの市場心理によって、経済が騰落を繰り返しています。これらの市場心理を読み解くことで資産形成はより加速するのではないでしょうか。
今回は、VIX(恐怖指数)とFear&Greed Indexを説明します。
VIX(恐怖指数)とは何で、どう活用するのか
Fear&Greed Indexとは何で、どう活用するのか
これらを合わせて紹介し、組み合わせることで米国株を中心とした調整/リセッション局面の資産形成の一助になればと思います。
今日の題材として、2022年3月〜2022年5月までの3ヶ月間のS&P500を使用します。
VIX(恐怖指数)とは
米国の株価変動を予測しようとすると、「VIX(恐怖指数)が高いから〜」という言葉をよく聞きます。
VIXをGoogleで調べてみると、以下のようなチャートが出ます。
株価のようなチャートで、一般的に指数が30を超えると高いと言われます。
実際に2022年3月前半と2022年5月前半には高い値となっています。
このVIX指数チャートとS&P500チャートを重ねてみると、3月前半と5月前半に急落が発生していることがわかります。
つまり、VIX指数が高くなると、S&P500が下がっていることがわかります。
VIX(恐怖指数)とは、株価指数に対するセンチメントを表す指標の一つです。
具体的な解説は元日本経済新聞社の後藤達也さんのYoutube解説がわかりやすいので、引用します。
VIX(恐怖指数)とは、米株価指数S&P500が今後1ヶ月でどれくらい激しく動きそうか(=予想変動率)を示す。
Youtube – VIXとは?(そもそも経済解説①)2022/5/15
「株価急騰」「株価急落」のどちらの予想が強まっても上昇する。
ただし、一般的には「急騰」よりも「急落」のほうが起きやすい。
このため「恐怖指数」と呼ばれ、VIX上昇 = 株安警戒とされる。
VIX(恐怖指数)の特徴
株価安定時
株価安定時には、VIX指数は10〜20前後で推移します。
例えば、VIX指数チャートの5年分(2018年〜2022年)をみてみると、コロナショックの2020年3月に65付近の高い値を取った後、
別の型のコロナ罹患者発生のたびにVIX指数が30を超え、その後に落ち着き、また別の型のコロナ罹患者が発生するとVIX指数が30を超え、その後に落ち着く。という流れを繰り返していました。その後は指数がほとんど30を超えることなく推移していることがわかります。この間、S&P500は堅調に上昇トレンドでした。
調整局面
一方で調整局面ではVIX指数が30を超えることがありました。
同一例ですが、2020年3月にはコロナショックで65付近の値をつけ、一気に株価が急落したことは記憶に新しいと思います。現在のVIX指数が度々30を超えていることはどのように影響するのでしょうか。後ほど説明します。
VIXが低すぎると
また、VIX指数が低すぎると反対に楽観しすぎでバブルではないかという考え方があります。
下はS&P500の5年間(2018年〜2022年)のチャートです。
2018年の初めに、S&P500が一時的に急落している部分があります。
この時期のVIX指数を重ねてみると、急落前まではVIX指数が10前半で推移していることがわかります。
このことから、VIX指数が低い値で推移している場合も注意が必要ということがわかります。
VIXの活用方法
では、VIX指数の見方がわかった上でどのように活用すれば良いのかを確認しましょう。
VIX指数を活用したETFに投資する
VIX指数が高くなると急落の可能性があることから、逆張りのための指標として活用します。
例えば、S&P500インバースETF(証券コード:XSPD)に短期投資をします。
2022年1月あたりを見ると、VIX指数の高いタイミングに急騰していることがわかります。
転換局面として利用し、利益を狙う
VIX指数が高くなると株価が急落する可能性があります。
これを活用して、VIX指数が高くなったタイミングでキャッシュを増やし、
急落後の値下がりした株を購入するタイミングとして活用します。
これは王道手段かと思います。
別指標(Fear&Greed Indx)と併せて活用する
Fear & Greed Indexと合わせて購入タイミングを判断する。
Fear & Greed Index – https://edition.cnn.com/markets/fear-and-greed
Fear & Greed Indexとは、直訳すると「恐怖と欲の指数」です。
市場の勢い、株価の強さ、株価の幅、オプション、ジャンク債の需要、市場のボラティリティ、安全需要の7つの株式市場の側面を測定し指標として示したものです。
VIX指数が上がり、Fear&Greed Indexが10前後まで下がったタイミングは株式市場が急落を懸念しているタイミングなので、そこで買いを入れることで底値付近で購入できる可能性が高まるでしょう。
売りのタイミングはFear & Greed IndexがGREED側に指標が移ったとき(50以上のとき)が良いと思います。
まとめ
VIX(恐怖指数)の見方と活用方法をまとめました。
活用方法ではFear&Greed Indexも活用し、どのタイミングで株式購入をすべきかを示しました。
逆張りの方法以外は中長期向け投資ですので、気長に経済回復を待ちましょう。
資産形成の一助になれば幸いです。