「別に不満はない。でも、なんか物足りない」と感じていませんか?
毎日なんとなく忙しくて、気づけば週末になっている。
また一週間が過ぎて、また月が変わって、あっという間に一年が終わっていく――。
こんなふうに、「特に大きな不満はないけど、どこか物足りなさを感じる毎日」を送っていませんか?
僕自身もそうでした。
会社員としてそこそこ順調に働いていて、収入も安定している。家族との関係も悪くない。
それでも、ふとした瞬間に湧き上がるモヤモヤがありました。
「このまま、なんとなくの毎日を繰り返していって、気づいたら歳を取っていた…なんて未来は嫌だ」
「何か変えたい。でも、何をどうしたらいいのかがわからない」
変わりたいという気持ちはあるのに、いざ行動しようとすると
「今日は疲れたし…」「もう少し落ち着いたら…」と先延ばしにしてしまう。
そんな自分に嫌気がさして、余計に自信をなくす。
この“変わりたいのに変われない”スパイラル、あなたも心当たりがあるかもしれません。
でも、大丈夫です。
行動できないのは、あなたの意志が弱いからでも、才能がないからでもありません。
必要なのは、「自分を動かす仕組み」をつくること。
本記事では、かつて僕自身が「行動できない自分」だった頃から、
どうやって「行動できる自分」へと変わっていったのかを、実体験とともにお話ししていきます。
読み終わったあと、あなたの中の“何か”がそっと動き出すことを願って。
変われないのは、怠けているからじゃない
「そろそろ何か始めなきゃな…」
「今年こそは変わりたい」
そんなことを何度も思ってきたのに、気づけばまた1年が終わっていた――。
行動できない自分に対して、「自分は意志が弱い」「やっぱり怠け者なんだ」と責めたことはありませんか?
僕もかつては、そうでした。
「やる気さえ出れば」「もっと根性があれば」と思い込み、
行動できないのは自分の性格や精神力のせいだと思っていました。
でも、今ならはっきり言えます。
行動できないのは、怠けてるからじゃない。仕組みがないからです。
■ 行動にブレーキをかける“見えない壁”
僕たちは日々、仕事に追われ、家のことで手一杯で、自分の時間なんてなかなか確保できません。
それでも、「変わりたい」「何か始めたい」という気持ちはずっと胸の奥にあります。
でもその一歩が踏み出せないのは、行動に必要なエネルギーが“その場任せ”になっているからです。
「今日は疲れてるからやめておこう」
「週末にまとめてやろう」
「もうちょっと気分が乗ったら始めよう」
こうした“やる気頼み”の行動は、継続することがとても難しいんです。
■ 比較の呪縛に気づくことが第一歩
さらに厄介なのは、周りと自分を比べてしまう癖。
職場の同僚が成果を出していたり、SNSで見かける知人がバリバリ活動しているのを見ると、
「自分は何もできていない…」と、どんどん自信を失っていきます。
この“比較の呪縛”は、行動のエネルギーを静かに奪っていくんです。
そして「どうせ自分なんか」と諦めてしまえば、もう変わることすら諦めてしまう。
でも、その落ち込みは、本当に“あなたのせい”でしょうか?
■ 行動を支えるのは、仕組みと小さな成功体験
僕が変われたのは、「やる気を出す」のをやめて、
“自分が動きたくなる仕組み”を少しずつ整えたからです。
たとえば、昼休みの30分を勉強に使ってみる。
帰宅前のカフェ時間でブログを書く。
毎週「これだけはやる」とToDoを決める。
こうした“小さな設計”をしていくうちに、自然と動けるようになっていきました。
そして、たとえ5分でも10分でも「自分が決めたことをやりきる」体験が、
「やればできる」という自己肯定感につながっていったんです。
■ 大事なのは、感情よりも“仕組み”
変わるために一番大事なのは、モチベーションではありません。
自分が自然と動いてしまう“仕組み”をつくることです。
感情には波があります。
でも、仕組みは感情に関係なく機能します。
「やりたいけどやれない」から卒業するには、
「やる気がない日でも、自然と手が動く仕組み」が必要なんです。
あなたが今、もし行動できていないとしても、それはあなたの性格のせいではありません。
必要なのは、「自分を責めること」ではなく、
「動き出せる環境や仕組みを、自分の中に整えること」。
「自分を知ること」が変化のスタートだった
「今の生活、そんなに悪くないはずなのに、なんかモヤモヤする」
そう感じている人、多いのではないでしょうか。
給料は悪くない。
職場の人間関係も特に問題ない。
休日には家族と出かけたり、好きなものを食べたりもしている。
それなのに、どこか“満たされていない感覚”が、ずっと心に残っていた――。
これは、まさに以前の僕の状態でした。
■ 「物足りない」は、本音のサイン
ある日、仕事帰りの電車の中で、ふと外を眺めながらこう思いました。
「このまま、こんな毎日をずっと繰り返して、気づいたら定年になってるのかな」
駅には酔っ払ったサラリーマンがいて、みんな疲れた顔をしている。
僕もその一人であることに、胸がざわついたんです。
「家族もいるし、生活は安定してる。でも…なんか違う」
「子どもが成長しても、今の自分を尊敬してくれるだろうか」
その“なんか違う”が、僕にとっては変化の起点でした。
■ 小さな違和感に気づくことで、人生のハンドルが自分に戻る
この違和感を放置したままだと、やがて心は「諦め」に変わってしまいます。
だからこそ、自分が「何に物足りなさを感じているのか」を言語化することが大切です。
僕は、自分の中にある“もっとこうなりたい”という感情を拾い上げるようにしました。
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子どもに堂々と「お父さんはこうしてるよ」と言いたい
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誰かに誇れるものがひとつ欲しい
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今の会社に頼らずとも、稼ぐ力を少しでも持ちたい
そんな思いが浮かんできたとき、ようやく僕は本当の意味で「自分の気持ち」に気づいたんです。
■ 最初に選んだのは、資格の勉強だった
「じゃあ、自分に何ができるだろう?」と考えたときに、真っ先に頭に浮かんだのが“資格の勉強”でした。
本業がIT関係だったこともあり、まずは興味のあったAzure、AWS、Oracleといったクラウド系の資格に手を出してみました。
最初は、正直言って勉強自体がつらかったです。
テキストを開いても頭に入ってこないし、眠くなることも多かった。
でも、ひとつのことに集中する時間は、心の中のモヤモヤを一時的にかき消してくれた。
「少しでも前に進んでる」
「自分の意志で進んでる」
その感覚が、想像以上に大きな意味を持っていたんです。
■ 行動のきっかけは、「不満」よりも「違和感」にある
人は、不満が限界に達したときに動き出すことが多いと思われがちです。
でも実際には、「なんかモヤモヤする」という違和感のほうが、ずっと早く気づけるサインになります。
僕の場合は、「このままでいいのか?」というぼんやりとした不安が、すべての始まりでした。
そして、その正体を見つけることで、ようやく“変わるための一歩”が踏み出せたのです。
もしあなたが今、何かにモヤモヤしているなら、
それはきっと、心の奥からの「変わりたい」というサインです。
まずは、その違和感に名前をつけてあげることから始めてみてください。
「やる気がなくても動ける仕組み」をつくる
「よし、やるぞ!」と決めたはずなのに、
数日後には「今日は疲れたから…」とやらなくなる。
そんな経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。
僕自身も、かつては“やる気頼み”の生活を繰り返していました。
でも、行動を継続するうえで最も重要なのは、**やる気ではなく“仕組み”**です。
■ 「時間がない」は工夫の余地があるサイン
僕も最初は「時間がない」を言い訳にしていました。
でもある時、「本当に、1日24時間すべてが埋まってるのか?」と自分に問いかけてみたんです。
そして気づいたのが、「使い方を変えれば、時間は作れる」ということ。
・朝5時に起きて勉強しようとしたけど、子どもも起きてしまい断念
・昼ご飯を早く済ませて、残りの30分を自己投資の時間に変更
・仕事帰りはカフェに寄り、帰宅後の家事・育児が始まる前に活動時間を確保
このように、生活リズムに合わせて無理のない時間配分を探ることで、
自分の“やれる時間”が自然と見えてきました。
■ やる気ではなく「予定」が人を動かす
僕が実践して効果を感じたのが、「予定ベースで動く」ということ。
たとえば、「やる気があるとき」に以下のように決めておきます。
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今週中にこの章を読破する
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水曜日は昼休みに問題集を解く
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金曜日のカフェではブログを書く
これを、Googleカレンダーや手帳に“予定”として入れてしまう。
そうすることで、「気分が乗らないから今日はやめる」という思考から脱却できます。
感情に左右されずに動くには、**“行動の自動化”**が必要なのです。
■ 副業が、本業の成長も加速させた
副業でブログやYouTubeを始めたときも、最初は“時間をどう捻出するか”が課題でした。
でも、やってみて驚いたのは、副業のために時間を作る過程で、本業も効率化されたことです。
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無駄な会議を減らすように提案する
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作業に優先順位をつけ、短時間で成果を出す
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アウトプットを意識するようになり、資料作成やプレゼンが上達した
「副業でやっていることが、自然と仕事に活きている」
この感覚は、とても心強いものでした。
■ 継続するコツは「最初から完璧を目指さない」こと
僕の計画は、いつもラフに始まります。
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年始に「今年の目標」をざっくり決める
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月初に「今月やること」を3つ書き出す
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週初めに「やるべきこと」をスプレッドシートに記入
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1日ごとのToDoは、その日の朝に決める
そして、計画通りにいかなくてもOKと割り切る。
大事なのは、「やれなかったことを翌週にスライドする」柔軟性を持つことです。
それが、ストレスのない継続につながります。
■ 行動は、自分との信頼関係を育てる
「昨日の自分が立てた予定を、今日の自分が実行する」
たったそれだけで、人は少しずつ自己肯定感を取り戻していきます。
僕は、やる気が出なくても「決めたことをやりきった日」の方が、
「気分が乗って適当にやった日」よりもずっと自信が持てました。
つまり、**“やる気があるかどうか”ではなく、“自分と交わした約束を守ったか”**が大事なのです。
自分にとって心地よく、無理のない行動パターンを見つけていく。
それが、行動を続けるための最強の仕組みです。
「やりきった経験」が自己肯定感を育ててくれる
行動し続けていると、ある時ふと気づく瞬間があります。
「自分、前よりちょっと変われてるかも」と。
僕にとってそれは、3ヶ月連続で資格試験に合格した時でした。
PMP、AWS、ServiceNowと続けて合格。
決して短期間で取れるような簡単な資格ではありません。
でも、毎日の昼休みの30分、仕事終わりの2〜3時間をコツコツ積み重ねた結果、
自分の中に確かな「やりきった感覚」が残ったのです。
■ 成功体験よりも、「やりきった体験」が自信になる
人は“成功体験”を求めがちですが、
実はもっと大切なのは、“過程をちゃんと走りきった実感”です。
僕の場合、「結果がどうあれ、やりきった自分を褒めたい」
そう思えたときに、自然と次の行動へのエネルギーが湧いてきました。
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朝の5分が、貴重に思えてくる
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すき間時間を自然に探すようになる
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次はもっと効率よくできるかも、と改善したくなる
これはまさに、行動 → 成長 → 自信 → 行動という好循環です。
■ スキル以上に得た“変化への耐性”
勉強で得た知識やスキル以上に、
「変化を恐れずチャレンジするマインド」が育ちました。
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技術的な会話に参加できるようになった
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商談の提案で、より広い視点を持てるようになった
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これまで避けていたジャンルにも自然と手を伸ばせるようになった
“成長している実感”が、自分の可能性を少しずつ広げてくれたのです。
■ モチベーションがなくても続けられる理由
僕は、Notionで週単位・日単位のタスク管理をしていて、
決して完璧なスケジューリングではありません。
でも、「自分のペースでいい」「崩れても修正すればいい」と思えることで、
完璧を目指すストレスから解放されました。
そして、「また今日もやりきれた」という経験が、
自己肯定感の土台になっていったのです。
■ 「感情の主導権を自分に取り戻す」感覚
以前の僕は、仕事で失敗すると引きずってしまいがちでした。
でも、今は「今日はこっち(副業 or 勉強)に集中しよう」と切り替えられる。
自分の感情を自分でハンドリングできる。
この感覚は、まさに継続によってしか得られないものでした。
“自分なんてどうせ…”と思っていた時期と比べると、
今は、「またやればいい」「また始められる」という前向きさがあります。
それは、小さな行動を積み重ねてきた過去の自分が、今の自分を支えてくれているからです。
未来が「不安」から「楽しみ」に変わるまで
何もしていなかった頃の僕は、未来の話が苦手でした。
「今のままで大丈夫かな」
「5年後、自分は何してるんだろう」
「このまま何も変わらずに、人生が終わってしまうのかも…」
そんな“漠然とした不安”が、いつも心のどこかに居座っていたのです。
でも、継続的に行動し続けていく中で、ある時から不安の輪郭がぼやけていきました。
代わりに、「これからどう変われるだろう」という楽しみが、少しずつ心に生まれてきたのです。
■「進んでいる」感覚が、人生に安心感をくれる
資格をひとつ取得した。
副業で少し売上が出た。
日々のToDoをやりきって、自分を褒められた。
それぞれは小さな出来事かもしれませんが、
そのたびに、「自分は今、前に進んでいる」と感じることができました。
まるでRPGゲームで、装備やスキルが少しずつ増えていくような感覚。
「過去の自分より、一歩でも成長できていればOK」
この考えが身につくと、未来が“比較対象”ではなく“自分の可能性”に変わっていきました。
■ 不安が消えたわけじゃない。でも、進めるようになった
未来への不安がゼロになったわけではありません。
でも、**「どうなるかわからない未来に、今の自分は対応できる」**という確信が、徐々に育っていきました。
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行動してきた実績がある
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小さな成功体験が積み重なっている
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自分なりのペースで進んでいる実感がある
これらが、“自分ならなんとかできる”という自信につながっているのです。
■ ゴールは「決めない」からこそ、自由に進める
「何になりたいかは、まだ分からない」
「でも、どんな変化にも対応できる力は身についてきた」
今の僕は、そう思っています。
たとえば、これから先AIやテクノロジーがどれだけ進化しても、
自分の“学び続ける力”と“行動し続ける仕組み”があれば、何度でも再スタートが切れる。
だからこそ、最終ゴールは決めずに、変化に柔軟でいられる自分を育てていく。
この姿勢を大切にしています。
「このままじゃ終われない」――
そう思ったあの日の自分が、小さな行動を始めたことで、
こうして未来への向き合い方がまったく変わりました。
そして今、この記事を読んでいるあなたもまた、
変化のスタート地点に立っているのかもしれません。
おわりに:変わるのは“今この瞬間”から
ここまで読み進めてくださったあなたは、
きっとどこかに「変わりたい」という想いを持っている方だと思います。
「不満はない。でも、何かが物足りない」
「このままでいいのか、なんとなく不安」
「今年、自分は何をしたっけ?」と、ふと立ち止まる瞬間。
それは、あなたの中に眠っている“変化の芽”です。
僕もそうでした。
何かを始めたいと思いながら、先延ばしにし、また1年が過ぎる――
そんな自分が嫌でたまらなかった。
でも、小さな行動を繰り返す中で気づいたのです。
変化は、大きな決断からではなく、日々の選択から始まる。
「やる」と決めて「やりきる」その1つひとつが、
“変わっていく自分”の背中を押してくれます。
僕の変化は、特別な才能があったからではありません。
「仕組みを整えたこと」
「自分を知る問いを繰り返したこと」
「行動を継続する工夫をしたこと」
それだけです。
この本が、あなたの中にある「変われるかもしれない」という可能性を、
「やっぱり変われるんだ」と確信に変える一冊になれたなら、心から嬉しく思います。
さあ、変わるのは――今、この瞬間からです。