今週の決算情報#007|2026年5月14日 TDnet 1,609件・3月期決算ラッシュ最大日【単日特別号】

2026 EDITION | WEEKLY EARNINGS DIGEST #007

UPDATED 2026.05.14(THU) / 単日特別号 / 3月期決算ラッシュ最大日 ─ TDnet 1,609件を事実ベースで読み解く

PICK UP / 注目決算

今日のトップ3

7267 ホンダ

売上収益+0.5%だが営業利益が前期1.21兆円黒字→当期4,143億円の営業赤字に転落。決算短信本文では「EV関連損失の影響や関税影響」が要因と明記。配当は年70円で前年同水準。

8309 三井住友トラストG

純利益+23.3%。株主還元方針の変更+自己株式取得・消却+中計2026-2028+1→4株分割を同日にフルパッケージ発表。配当も普通配当ベースで大幅増配。

9401 TBSHD

営業利益+27.1%。配当68円→84円→来期予想100円の連続大幅増配。中計2026アップデート+自己株式取得・消却も同日発表。

QUICK GUIDE / 3秒で「自分が見るべき銘柄」が分かる

大幅増配・連続増配を探したい人 → TBSHD(9401・68→84→100円)・三井住友トラストG(8309)・日揮HD(1963・+30%)・パーソルHD(2181)・日テレHD(9404)・日立(6501・+16.3%)
業績V字回復・黒字転換を狙いたい人 → 日揮HD(1963・営業損益が赤字→35,399百万円の黒字転換)・ソニーFG(8729・経常+88.4%)
新中期経営計画を追いたい人 → 三井住友トラストG(8309・2026-2028)・日揮HD(1963・BSP2030)・アマダ(6113・2030)・パーソルHD(2181・FY2028)・TBSHD(9401・2026更新)
業績悪化銘柄を理解したい人 → ⚠️ ホンダ(7267・営業赤字転落)・アマダ(6113・営業利益△7.0%)・スズケン(9987・営業利益△2.0%)

連載「今週の決算情報」第7回は、3月期決算ラッシュの最大日となる2026年5月14日(木)の単日特別号です。TDnetへ提出された開示は合計1,609件と前日の1,163件をさらに上回り、連載開始以降の単日件数として過去最大を3日連続で更新しました。本記事の数値・配当はすべて決算短信および適時開示PDFの本文から事実ベースで引用しています。

今日の3指標

単日の開示件数

1,609件

連載開始以降の単日最大
3日連続で過去最大を更新

最大の来期配当増額

+16円

9401 TBSHD
2027/3期予想 84円→100円

今日の最大サプライズ

ホンダ営業赤字

前期1.21兆円黒字→当期4,143億円赤字

今日のカテゴリ別件数

カテゴリ5/14(木)5/13(水)前日比
決算短信756件525件+44%(過去最大)
決算説明資料357件225件+59%
配当予想227件168件+35%
自社株買い80件69件+16%
中期経営計画72件74件△3%(高水準維持)
業績予想修正70件63件+11%
資本政策25件19件+32%
M&A・組織再編22件20件+10%
合計1,609件1,163件+38%(連載開始以降の単日最大)

注目銘柄の事実ベース深掘り

⚠️ 7267 ホンダ|営業利益が黒字→赤字に転落、配当は年70円維持

自動車・二輪世界大手。IFRS基準の本決算は売上収益+0.5%とほぼ横ばいながら、営業利益が前期1兆2,134億円の黒字から当期4,143億円の営業赤字に転落。税引前利益・当期利益も赤字に転落しました。

指標(IFRS連結)2025/3期2026/3期
売上収益21,688,767百万円21,796,610百万円(+0.5%)
営業利益1,213,486百万円△414,346百万円(赤字転落)
税引前利益1,317,640百万円△403,300百万円(赤字転落)
親会社の所有者に帰属する当期利益766,276百万円△423,941百万円(赤字転落)
基本的1株当たり当期利益178.93円△106.06円

決算短信本文では営業赤字の要因として「EV(電気自動車)関連損失の影響や関税影響」が明記されています。配当は2026/3期・2027/3期予想ともに年間70円(中間35円+期末35円)で、赤字決算ながら配当水準は維持される計画です(2027/3期の配当性向は104.8%)。なお2027/3期の為替前提は通期平均1米ドル=145円と決算短信に記載。

💡 初中級者向けの読み方:大企業が「赤字でも配当維持」を選ぶのは、財務基盤に余力がある場合の典型的な判断です。ただし2027/3期の配当性向104.8%は「予想利益を全額配当に回しても足りない水準」で、来期業績の回復が前提。EV関連損失と関税影響がどこまで一時的な要因か、四半期ごとの開示で確認する必要があります。

8309 三井住友トラストG|純利益+23.3%、還元方針変更+自己株消却+中計+1→4株分割のフルパッケージ

信託銀行大手。本決算は経常収益+2.1%、経常利益+9.2%、親会社株主に帰属する当期純利益+23.3%。同日に「中期経営計画(2026〜2028年度)」「株主還元方針の変更」「自己株式取得・消却」を一括発表しました。

配当の状況中間期末年間備考
2025/3期72.50円82.50円155円普通145円+記念配10円
2026/3期80円105円185円配当性向40.9%
2027/3期(予想)23.75円23.75円47.50円
(分割後)
分割考慮なしで年間190円

注記:2026年8月1日効力発生で1→4株分割を実施予定。普通配当ベースで比較すると、2025/3期の普通配当145円→2026/3期185円→2027/3期予想190円相当(分割前換算)と2期連続の増配です。記念配当10円は2025/3期のみ。

9401 TBSホールディングス|営業利益+27.1%、配当68→84→100円の連続大幅増配

放送・メディア大手。本決算は売上高+4.5%、営業利益+27.1%、経常利益+18.3%、当期純利益+18.9%

配当の状況中間期末年間伸び率
2025/3期27円41円68円
2026/3期35円49円84円+23.5%
2027/3期(予想)50円50円100円+19.0%

同日「中期経営計画2026のアップデート」と「自己株式取得・消却」も発表。2期連続の大幅増配(68→84→100円)と中計・自己株消却が揃った、株主還元強化の典型例です。

1963 日揮ホールディングス|営業損益が黒字転換、配当+30%、中計BSP2030

プラントエンジニアリング大手。売上高△13.1%だが、営業損益は前期△114億円の赤字から当期354億円の黒字に転換、経常利益+414.0%、当期純利益も前期△4億円の赤字から当期418億円の黒字に転換。配当は2025/3期40円→2026/3期52円(+12円、+30.0%)。同日「中期経営計画 BSP2030」を発表。

9404 日本テレビHD|営業利益+26.2%、増配+自己株式取得・消却

放送・メディア大手。売上高+4.9%、営業利益+26.2%、経常利益+24.9%、当期純利益+23.4%。配当は2025/3期40円→2026/3期45円(+5円、+12.5%)→2027/3期予想45円(維持)。同日「自己株式取得・消却」も発表。

2181 パーソルHD|全方位増益、配当9.5→11.5→13円の連続増配、中計FY2028

人材サービス大手。IFRS基準で売上収益+7.2%、営業利益+13.6%、税引前利益+18.8%、当期利益+19.0%、親会社の所有者に帰属する当期利益+68.0%。配当は2025/3期9.50円→2026/3期11.50円(+2円、+21.1%)→2027/3期予想13.00円(+1.5円、+13.0%)。同日「中期経営計画FY2028」を策定。

8729 ソニーフィナンシャルグループ|経常利益+88.4%、上場後の配当開始

金融グループ。経常収益+9.6%、経常利益+88.4%、当期純利益△29.6%。配当は2025/3期が「-」、2026/3期は期末3.80円(年間3.80円、配当性向47.7%)。経常利益は大幅増益の一方、当期純利益は減益と、本業収益と最終利益で方向が分かれた決算です。

6113 アマダ|売上+10.3%だが事業利益△8.7%、配当62円維持+中計2030

金属加工機械大手。IFRS基準で売上収益+10.3%、事業利益△8.7%、営業利益△7.0%、当期利益△5.7%。トップラインは2桁増ながら利益は減少。配当は2025/3期62円→2026/3期62円(維持)→2027/3期予想64円(+2円)。配当性向は62.8%→64.1%→58.5%と高水準。同日「中期経営計画2030」を策定。

9987 スズケン|当期純利益+10.6%、株主還元方針+増配、1→2株分割予定

医薬品卸大手。売上高+3.6%、営業利益△2.0%、経常利益+2.4%、当期純利益+10.6%。配当は2025/3期・2026/3期ともに年間100円(中間50+期末50)。同日「株主還元方針および2027年3月期通期配当予想(増配)」を発表し、2026年10月1日効力発生で1→2株分割を実施予定。2027/3期予想配当は中間60円+期末30円で、分割考慮なしの期末配当は別途決算短信に記載。

6501 日立|配当予想を開示(年43円→50円、+16.3%)

総合電機大手。本日(5/14)は「剰余金の配当(期末配当)に関するお知らせ」を提出(決算短信は本記事執筆時点では未取得)。配当は前期2025/3期の年間43円(中間21+期末22)から、2026/3期は年間50円(中間23+期末27)へ+7円(+16.3%)の増配

連載続報追跡

銘柄前回登場今日の動き次にチェックすべき
7267 ホンダ新規(連載初登場)営業赤字転落(EV関連損失・関税影響)、配当70円維持2027/3期の業績回復度合いと配当性向104.8%の持続性
8309 三井住友トラストG新規(連載初登場)中計2026-2028+還元方針変更+自己株消却+1→4株分割新還元方針の具体内容と分割後の配当水準
8830 住友不動産連載第6回(5/13)★13期連続最高益本日は開示なし第十次中計の進捗と14期連続更新の可否
5802 住友電工連載第5回(5/12)★純利益+90.7%本日は開示なし中計2028の初年度進捗
8282 ケーズHD連載第3回(5/4-8)★中計上方修正本日は開示なし2027/3期実績の中計達成度

連載で追っている中計トラッキング(本日追加分)

銘柄中計名/期間最新ステータス
8309 三井住友トラストG中期経営計画2026-2028🆕 本日策定(純利益+23.3%・還元方針変更と同時)
1963 日揮HDBSP2030🆕 本日策定(営業損益の黒字転換と同時)
6113 アマダ中期経営計画2030🆕 本日策定(事業利益△8.7%と同時)
2181 パーソルHD中期経営計画FY2028🆕 本日策定(全方位増益と同時)
9401 TBSHD中期経営計画2026🆕 本日アップデート(連続大幅増配と同時)
9401 TBSHD等日揮HD・アマダ・日テレ・TBS・日立など主要メディア・電機・機械が一斉発表

連載第3回以降の中計トラッキング累計は、本日の追加で20社超に到達しました。Casaの大幅下方修正、ケーズHDの上方修正、帝人・杏林製薬・宝HDの「業績悪化+中計同時発表」、住友電工・住友不動産の「業績好調+中計」など、業績の山と谷の両方で新中計が出るパターンが連載全体で観察できています。

まとめ|単日特別号の3つの教訓

大型企業の赤字転落は「要因の中身」を読む

ホンダの営業赤字転落は、決算短信本文に「EV関連損失と関税影響」と要因が明記されている。赤字の数字だけでなく、それが一時的要因か構造的要因かを本文で確認するのが投資判断の起点。

還元強化は「フルパッケージ」で動く

三井住友トラストGは「中計+還元方針変更+自己株消却+株式分割」を同日一括発表。資本効率を意識した経営は、配当・自社株買い・分割がセットで動くのが本日のパターン。

「赤字でも配当維持」は配当性向で持続性を測る

ホンダは赤字でも年70円維持だが、2027/3期予想の配当性向は104.8%。予想利益を超える配当は来期の業績回復が前提であり、持続性は四半期ごとに検証が必要。

📈 ポイント:連載第7回は単日1,609件(連載開始以降の過去最大を3日連続更新)のうち深掘り10社で構成しました。本記事の業績数値・配当数値・中計内容・株式分割注記は、すべて決算短信および適時開示PDFの本文から事実ベースで引用しています。市況動向の推測は本記事には含めていません(決算短信本文に記載された事象のみを引用)。

明日以降の予告

3月期決算ラッシュは5月15日(金)にかけて引き続きピークが続きます。注目したいのは次の3点。

  • 自動車各社:ホンダの赤字転落を受け、トヨタ・日産など他の自動車メーカーの関税影響・EV戦略の開示
  • 残りの大型銘柄:3メガ銀行・総合商社の本決算が今週中に出揃う見込み(累進配当・自社株買い枠の動向)
  • 中計の集中発表:本日72件に続き、ラッシュ後半も新中計の発表が続く見込み

連載バックナンバー


📅 RECORD

最終更新日:2026年5月15日
初稿公開日:2026年5月15日
連載シリーズ:「今週の決算情報」第7回(単日特別号)

📚 データ参照元

  • TDnet(東京証券取引所 適時開示情報閲覧サービス):2026年5月14日提出の決算短信756件・決算説明資料357件・配当予想227件・自社株買い80件・中期経営計画72件・業績予想修正70件・資本政策25件・M&A22件 = 合計1,609件(連載開始以降の単日最大)
  • 本記事で深掘りした各社の決算短信・適時開示PDF(ホンダ・三井住友トラストG・TBSHD・日揮HD・日本テレビHD・パーソルHD・ソニーFG・アマダ・スズケン・日立)
  • 業績数値・配当推移・中期経営計画・株式分割注記は提出書類本文より事実ベースで引用
  • 本記事公開時点の最新情報を基に作成

📝 編集ノート(運営者より)

本記事は、35歳メーカーシステムエンジニアで投資歴7年の運営者「ちぷるそ」が、TDnetおよびEDINETの一次情報を直接読み解いて編集しています。NISA満額(月30万円)を継続中で、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天・高配当株式・米国ファンド(楽天SCHD)の2銘柄構成で長期投資を実践中。日本株の個別銘柄は保有していませんが、決算分析を通じて「自分で考える投資家」を増やすことを目的にこの連載を続けています。本記事は投資推奨ではなく、判断材料の提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。事実誤りや疑問点に気づいた方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。