2026 EDITION | FIRE SIMULATION
「FIREって、どれくらいの資産があれば本当に達成できるの?」「自分は何歳までに、月いくら積み立てればたどり着けるのか?」——この疑問にちゃんと数字で答えるべく、年利5%×4%ルールの組み合わせで、ゴール別の必要月額を全パターン計算した。
結論から言えば、1億円ゴールは30歳から月12万円を30年続ければ届く。月30万円(NISA満額)×20年なら1.23億円。決して「夢物語」ではない、ごく現実的なラインに収まる。
FIRE(経済的自立 + 早期リタイア)の議論は「年4%ルール = 資産の4%で生活」が前提になることが多い。5,000万あれば月17万、1億あれば月33万、1.5億あれば月50万で生活する想定。じゃあそこに届くには、月いくらをいつまで積み立てる必要があるのか。年利5%でシミュレーションした。
① まず「いくらあれば何ができるのか」を直視
4%ルール: 資産の4%を毎年取り崩しても、長期的に資産が目減りしない、という米国研究の経験則。あくまで目安。
5,000万円|サイドFIRE
年200万 / 月17万で生活。配偶者の収入や副業と組み合わせる前提。「会社辞めても何とかなる」ライン。
1億円|FIRE基本
年400万 / 月33万で生活。質素な独身〜子なし夫婦の生活が成立するライン。「FIRE」と聞いて多くの人が想像するのはここ。
1.5億円|豊かなFIRE
年600万 / 月50万で生活。子育て・住宅ローン込みでも余裕がある、いわゆる「Fat FIRE」のライン。
② 5,000万円を作るための月額×年数
年利5%で月複利。✓は目標達成のライン。
| 月額 | 15年 | 20年 | 25年 | 30年 |
|---|---|---|---|---|
| 月5万 | 1,336万 | 2,055万 | 2,978万 | 4,161万 |
| 月10万 | 2,673万 | 4,110万 | ✓ 5,955万 | ✓ 8,323万 |
| 月15万 | 4,009万 | ✓ 6,166万 | ✓ 8,933万 | ✓ 1.25億 |
| 月20万 | ✓ 5,346万 | ✓ 8,221万 | ✓ 1.19億 | ✓ 1.66億 |
| 月30万(NISA満額) | ✓ 8,019万 | ✓ 1.23億 | ✓ 1.79億 | ✓ 2.50億 |
サイドFIRE(5,000万円)は 月10万円×25年 で十分達成圏内。30歳でNISAつみたて枠フルから始めれば55歳で5,000万円超えが視野に入る。FIRE基本(1億円)も 月15万円×30年 でいける。月30万のNISA満額勢なら、同じ20年でも1.23億円に到達する。
③ 1億円を作るための月額×年数
| 月額 | 20年 | 25年 | 30年 | 35年 |
|---|---|---|---|---|
| 月10万 | 4,110万 | 5,955万 | 8,323万 | ✓ 1.14億 |
| 月15万 | 6,166万 | 8,933万 | ✓ 1.25億 | ✓ 1.70億 |
| 月20万 | 8,221万 | ✓ 1.19億 | ✓ 1.66億 | ✓ 2.27億 |
| 月30万(NISA満額) | ✓ 1.23億 | ✓ 1.79億 | ✓ 2.50億 | ✓ 3.41億 |
| 月50万 | ✓ 2.06億 | ✓ 2.98億 | ✓ 4.16億 | ✓ 5.68億 |
④ 「逆算」で必要月額を見る
「いま◯歳でゴールを△年後に設定したい」と考えている人向け。
| 目標額 | 10年 | 20年 | 30年 |
|---|---|---|---|
| 3,000万 | 月19万 | 月7万 | 月4万 |
| 5,000万 | 月32万 | 月12万 | 月6万 |
| 1億 | 月64万 | 月24万 | 月12万 |
| 1.5億 | 月97万 | 月36万 | 月18万 |
| 2億 | 月129万 | 月49万 | 月24万 |
⑤ 「シーケンスリスク」|FIRE達成後の最大の敵
FIRE達成後に絶対意識すべきリスクが シーケンスリスク(取り崩し順序リスク)。リタイア初期に大暴落が来ると、4%ルールが機能しなくなるという話だ。
例えば1億円でFIREした直後にリーマン級の-50%下落があったとする。資産は5,000万円に半減。そこから年400万円(4%)を取り崩し続けると、回復前に元本がどんどん減って 10年程度で枯渇する ケースもある。
対策3つ:① キャッシュバッファ=生活費2〜3年分を現金で確保し、暴落時はそこから取り崩す。② 取り崩し率を3%に抑える=必要資産は1.33倍に増えるが安全性は劇的に上がる。③ 柔軟な取り崩し=相場が悪い年は取り崩しを減らし、副業や節約で凌ぐ。
FIRE達成は通過点であって、その後30年以上の取り崩し設計が本番。「達成だけがゴール」と考えると痛い目に遭うので、達成2〜3年前から取り崩しシミュレーションを始めるのが理想。
⑥ サイドFIRE達成の現実的な収入源 3パターン
「完全リタイア」より 「働く時間を半分にする」サイドFIRE の方が、資産ハードルも精神的ハードルも低い。資産5,000万+月10万円の副収入があれば、4%ルール換算で年200万+120万=年320万の生活費まで賄える。サイドFIREの収入源としてリアルな選択肢を3つ。
A: 業務委託・週3勤務
前職の専門スキルを業務委託で活かす。週3勤務で月20〜40万円。スキル次第で柔軟に働ける。エンジニア・コンサル・デザイナーなど職種選択肢広い。
B: ストック型ビジネス
ブログ・YouTube・Kindle出版など、一度作れば継続収益が入る型。月数万〜十数万。育てるのに2〜3年かかるが、軌道乗れば労働時間少なくOK。
C: 配当・分配金
高配当ETF(VYM・SCHD等)から年4%の配当を得る。資産3,000万なら年120万=月10万円。労働ゼロで安定収入。
⑦ よくある勘違い 3選
勘違い①「FIREには高年収が必須」
年収700〜800万でも30年スパンならFIRE達成は十分可能。支出を抑えられる人の方がFIRE達成率は高い。固定費(住居・通信・保険)を最適化すれば、年収500万でもサイドFIREは射程内。
勘違い②「達成後は何もしなくていい」
完全リタイア後、社会との接点が激減して 1〜2年で精神的に行き詰まる 人は多い(FIRE経験者の体験談頻出)。趣味・副業・コミュニティなど「目的」を達成前から準備しておく方が幸福度が高い。
勘違い③「4%ルールは絶対安全」
4%ルール(Trinity Study)は米株60%・債券40%の30年運用で破綻率5%。日本居住・全期間株式100%・40年取り崩しでは破綻リスクが上がる。実用時は3〜3.5%に下げる、または柔軟な取り崩しを併用するのが安全。
⑧ 今日から始める3ステップ
STEP 1: ゴール額を決める
「サイドFIRE 5,000万」か「FIRE 1億」か「Fat 1.5億」か。理想の生活費を25倍したのが必要資産(4%ルール逆算)。
STEP 2: 必要月額を逆算
上の表で「目標額×残り年数」を確認。30歳・1億ゴール・30年なら月12万円。NISAつみたて枠(月10万)+成長枠少額で十分カバー。
STEP 3: 自動化&放置
クレカ積立で完全自動化。あとは 20〜30年放置。途中で売らない、増やさない、相場を見ない。複利の最大の敵は「触ること」。
⑨ よくある質問(FAQ)
Q. 何歳までにFIREすべき?
A. 「達成年齢」より「達成可能性」が大事。30歳から月12万なら60歳で1億円。35歳から始めても月15万で60歳1億は可能。30歳開始を逃しても十分間に合う。「焦って高リスク投資」は最悪の選択。
Q. NISAだけで1億円届く?
A. NISA生涯枠1,800万円を年利5%で30年運用すると 約7,800万円。1億円届くにはあと2,200万円分を特定口座などで補完する必要あり。あるいは月10万のうち5万を追加で特定口座に積立すれば30年で1億円超。
Q. インフレで1億円の価値が下がるのでは?
A. 年2%インフレが30年続くと、1億円の実質価値は約5,500万円相当。これに対応するには 「インフレを上回るリターン」を狙う必要。S&P500の長期実質リターン(インフレ控除後)は年7%と言われており、株式中心なら十分インフレ対抗できる。
Q. 暴落が来たらFIRE目標額は届かない?
A. 達成前の暴落は むしろチャンス。安く積立できる期間が長くなるほど、回復後のリターンは大きくなる。詳しくは 暴落時シミュレーション記事。問題は達成後の暴落(=シーケンスリスク)。
⑩ FIRE達成のリアル|数字が教えてくれること
3つの示唆:① 1億円ゴールは、30歳から月12万を30年続ければ届く(年利5%前提)。
② FIRE達成の最大の敵は「焦って短期で増やそうとして失敗する」こと。長期にした方が圧倒的に楽。
③ NISA満額(月30万)×20年で1.23億円。NISA枠1,800万円が30年で雪だるまになる威力は侮れない。
注意点: このシミュレーションはあくまで複利モデル。実際は暴落・税金(NISA外なら20.315%)・物価上昇・寿命のリスクがある。FIRE後の取り崩し時に「シーケンスリスク」(リタイア初期の暴落)に当たると、4%ルールが破綻するケースもある。詳細な設計は、達成が見えてきた段階で改めて精査することをおすすめする。
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📅 RECORD
初稿公開日:2026年4月30日
📚 シミュレーション前提
- 年利5%(S&P500長期平均を控えめに置いた仮定)
- 4%ルール: Trinity Study(米テキサス州立大、1998年)が原典
- 月複利・税金/暴落/物価上昇は織り込まず
- FIRE後の取り崩しはシーケンスリスクの影響を受ける(本記事では未考慮)
📝 編集ノート(運営者より)
本記事は、35歳メーカーシステムエンジニアで投資歴7年の運営者「ちぷるそ」が編集しています。NISA満額(月30万円)を継続中で、eMAXIS Slim S&P500と楽天SCHDで長期投資中。FIREそのものを目指してはいないが、「いつ辞めても困らない」状態を作る投資設計を発信しています。








