SBI・SCHDが初の減配|売り時?分配金推移と減配理由をデータで解説【2026年】

2026年8月22日公開

2026年6月29日、SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)——通称「SBI・SCHD」——の第5期分配金が1万口あたり90円と発表されました。前回(2026年3月)の95円から5円の減額で、2024年12月の設定以来はじめての減配です。この記事では、分配金の全実績と減配の要因を一次情報(SBIアセットマネジメントの公式ファンド情報・本家SCHDの分配データ)で整理し、「売り時なのか」を考えるための材料をまとめます。

この記事の結論

SBI・SCHDの2026年6月期分配金は90円で、前回95円から設定来初の減配。主因は投資先である本家SCHD(米国ETF)の四半期分配金が2四半期連続で減少したこと(2025年12月$0.2782→2026年3月$0.2569→6月$0.2525)とみられます。ただしSCHDの四半期分配はもともと変動が大きく、年間ベースでは2025年も約5.4%の増配を継続。ファンドの基準価額も13,000円台と設定時を大きく上回っており、「減配=ファンドの異変」と断定できる状況ではありません。売却を判断する前に、本文の要因分解と分配金の仕組みを確認してください。

① SBI・SCHDの分配金推移|2026年6月に初の減配

SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型/愛称:S・米国高配当株式100)の設定来の分配金実績は次のとおりです。2026年6月29日の決算で、初めて前回を下回りました。

決算日分配金(1万口あたり)前回比
2025年3月19日0円—(設定後初回決算・分配見送り)
2025年6月19日62円+62円(初回分配)
2025年9月29日85円+23円
2025年12月29日90円+5円
2026年3月30日95円+5円
2026年6月29日90円-5円(設定来初の減配)

出典:SBIアセットマネジメント公式ファンド情報(評価基準日2026年7月31日)。設定来累積分配金は422円。

直近4回の合計は360円(85円+90円+95円+90円)。2026年8月21日の基準価額13,038円に対して年率約2.8%に相当します。純資産総額は約2,389億円(2026年8月21日時点)です。

補足:決算日は2025年8月の見直しで3・6・9・12月の各29日に変更されています(それ以前の2回は19日決算)。分配金の受取スケジュールの詳細はSCHDの分配金はいつ・いくら?にまとめています。

② 減配の要因分解|主因は本家SCHDの分配減

SBI・SCHDは、米国ETFのシュワブ・米国配当株式ETF(SCHD)に実質的にほぼ全額を投資するファミリーファンド方式のファンドです。分配原資の中心は、SCHDから受け取る配当等収益。つまりこのファンドの分配金は、①本家SCHDの分配動向と、②為替(円換算額)、③委託会社の分配方針の3つで決まります。

要因1:本家SCHDの四半期分配金が2四半期連続で減少

支払月1口あたり分配金前年同期比
2025年3月$0.2488+22.2%
2025年6月$0.2602-5.3%
2025年9月$0.2604+3.5%
2025年12月$0.2782+5.2%
2026年3月$0.2569+3.3%
2026年6月$0.2525-3.0%

出典:StockAnalysis.com(データ:S&P Global Market Intelligence)。金額は1口あたり・税引前。

本家SCHDの四半期分配金は、2025年12月の$0.2782をピークに、2026年3月$0.2569→6月$0.2525と2四半期連続で減少しました。6月分は前年同期比でも-3.0%です。SBI・SCHDの6月期決算(6月29日)は、ちょうどこのSCHDの6月分配(支払日6月29日)までの収益環境を反映するタイミングにあたります。

ただし重要なのは、SCHDの四半期分配はもともと変動が大きいということです。たとえば2024年も3月$0.2037→6月$0.2747と1四半期で35%も増えた後、9月には$0.2515へ減っています。四半期単位の増減を「増配・減配」と呼ぶと毎年何度も減配が起きていることになりますが、年間合計では2024年$0.9944→2025年$1.0476と約5.4%の増配。2026年も上期合計($0.5094)は前年同期($0.5090)とほぼ同水準を保っています。

要因2:為替(円換算額)の影響

SBI・SCHDは為替ヘッジを行わないため、SCHDから受け取る配当はドルベースの金額を円換算した額になります。円高が進めば円ベースの受取額は目減りし、円安なら増える構造です。今回の減配に為替がどの程度寄与したかは運用会社から個別に開示されていないため、本記事では断定しません。ただ「本家の分配が同じでも為替次第で円ベースの原資は変わる」という構造は、今後の分配金を見るうえで押さえておきたいポイントです。

要因3:分配金は委託会社が決算ごとに決める

見落とされがちですが、投資信託の分配金はETFの配当を自動的にそのまま支払う仕組みではなく、委託会社が決算ごとに分配方針に基づいて決定します。今回の90円は、過去最高だった95円から一段下げて2025年12月期と同水準に戻した形で、直近の本家SCHDの分配動向と整合的な調整といえます。

③ この減配は「タコ足」なのか|投信の分配金の仕組み

減配のニュースで気になるのが「そもそも無理な分配(いわゆるタコ足配当)をしていたのではないか」という点です。投資信託の分配金には2種類あります。

種類中身課税
普通分配金運用で得た利益からの分配課税(NISA口座なら非課税)
元本払戻金(特別分配金)自分の元本が払い戻されているだけ非課税(その分個別元本が減る)

ファンド全体で見ると、SBI・SCHDの基準価額は13,038円(2026年8月21日)と設定時の10,000円を約3割上回り、直近1年のトータルリターンは37.97%(2026年7月31日基準)。分配後もこの水準を保っており、分配原資であるSCHDからの配当等収益に対して無理な分配を続けている状況とは考えにくいデータです。

ただし、普通分配金か元本払戻金かは受益者ごとの個別元本で決まります。基準価額が高い局面で買った直後の人は、同じ90円でも一部が元本払戻金になる場合があります。自分の分配金がどちらだったかは、証券会社の取引報告書(分配金のお知らせ)で確認できます。

④ 売り時なのか|今後の見方

「初の減配」という言葉のインパクトは大きいですが、売却を考える前に次の点を整理しておく価値があります。

  • 今回の減配はファンド固有の問題(コスト増・運用の失敗など)ではなく、投資先である本家SCHDの四半期分配の変動が主因とみられること
  • SCHD自体は年間ベースでは増配を継続しており(2025年は約+5.4%)、四半期ごとの上下はこのETFでは毎年起きている通常の変動であること
  • ファンドの純資産は約2,389億円まで積み上がっており、規模面の懸念は現時点で小さいこと
  • 分配金を目的に保有するなら、評価軸は「四半期ごとの増減」ではなく「年間合計の分配額」と「基準価額を維持したまま分配できているか」であること

そのうえで、売るかどうかは「なぜこのファンドを買ったのか」に立ち返って判断するのが筋です。SCHDの配当成長に長期で乗るのが目的なら、四半期1回の5円の減額は前提の範囲内の変動です。一方、毎期の分配額の安定を最優先するなら、四半期分配が構造的に変動するこのファンドの性質自体を再確認する必要があります。本記事は特定の売買を推奨するものではありません。次回の決算は2026年9月29日です。

⑤ よくある質問(FAQ)

SBI・SCHDの減配はいつ・いくら?

2026年6月29日の決算で、分配金が前回の95円から90円へ5円(約5.3%)減額されました。2024年12月の設定以来、初めての減配です。

楽天SCHDも減配するの?

楽天・高配当株式・米国ファンドも同じ本家SCHDを実質的な投資対象とするため、本家の分配動向や為替の影響は同様に受けます。ただし分配金額は各運用会社が個別に決定するため、同じ動きになるとは限りません。両ファンドの違いはSBI SCHDと楽天SCHDの徹底比較で解説しています。

本家SCHD自体が減配したの?

四半期ベースでは2四半期連続の減少ですが、年間ベースでは2025年も約5.4%の増配を継続しています。四半期分配の上下はSCHDでは毎年起きている変動です。増配力を重視するならDGROとSCHDの比較連続増配ETFの比較も参考にしてください。

次の分配金はいつ?

決算日は3・6・9・12月の各29日で、次回は2026年9月29日です。実際の受取日は販売会社・口座区分により異なります。

いまの分配金利回りは?

直近4回の分配金合計360円を2026年8月21日の基準価額13,038円で割ると約2.8%です。今後の分配金額は毎回の決算で変わるため、この利回りが保証されるわけではありません。

⑥ まとめ

この記事のポイント

・SBI・SCHDは2026年6月29日の決算で90円と設定来初の減配(前回95円)
・主因は本家SCHDの四半期分配減($0.2569→$0.2525)とみられ、ファンド固有の異変を示すデータは現時点でない
・SCHDの年間分配は増配基調を維持、基準価額13,000円台・純資産約2,389億円
・タコ足かどうかは個別元本次第。取引報告書で普通分配金/元本払戻金を確認
・売却判断は四半期の増減ではなく、投資目的と年間分配・基準価額の推移で

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この記事について

最終更新日:2026年8月22日/初稿公開日:2026年8月22日

参照元:SBIアセットマネジメント「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」公式ファンド情報(基準価額・純資産総額・分配金実績、2026年8月21日時点)、SBIグローバルアセットマネジメント ニュースリリース、StockAnalysis.com(SCHD分配実績、データ提供:S&P Global Market Intelligence)。数字は執筆時点の公表情報を確認のうえ掲載しています。

筆者は35歳メーカーシステムエンジニアで投資歴7年の「まもる」。NISA満額(月30万円)を継続中で、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天・高配当株式・米国ファンド(楽天SCHD)の2銘柄で長期投資を実践しています。誤りに気づいた方はお問い合わせフォームからご連絡ください。

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や売買の推奨を目的とするものではありません。投資は元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。